儲かる事業をご提案|ミスターマーケティング
COLUMN 儲かる10億円ヒット商品・事業をつくる「カテゴリーキラー戦略」コラム

第10話 「シナジー」が効かないと、業績回復はできない。


「社長が〇〇という新規事業を始めたんですけど、この事業はいかがでしょうか?」

 

と、ある会社の経営幹部の方から、ご質問がありました。

 

※カテゴリーキラーとは、顧客のココロに突き刺さる、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業のこと。

 

詳しくこれまでの既存事業(本業)のお話を聞いてみないと、この新規事業がやるべき事業なのか、どうなのか、と判断することは難しいです。

 

しかし、あまりにも遠く離れているような事業のお話を聞くと、もしかしたら、単に社長の思いつきだけで始めてしまった事業なのでないかと思うことが、これまでも多々ありました。

 

経営者という立場に立つと、売上げが少しでも右肩下がりの気配が見えると、不安になり、このままではまずいと思うようになります。これはもしかしたら、どこまでもこの右肩下がりが続くのではないか、そして結果として、倒産してしまうのではないか、という一つの妄想にとらわれます。

 

そのため、プロモーションに力を入れたり、または現在の既存事業(本業)ではなく、新しい事業を立ち上げて力を入れようと考えます。

 

一方で、業績が悪くなくても、むしろ良い時に、色々な事業をやりたくなってしまうのも、これも経営者の性(さが)というものです。もともとやりたいことをやりたくて創業したり、社長をやっているのに、それを抑制するということは、反対に非常にストレスがかかります。

 

そのため、どちらのケースにせよ、そこには新しい事業を始めるだけの、戦略のロジック、裏付けや理由などをしっかりと説明したうえで始めれば良いのですが、そのようにしっかりと社員に対して説明を果たしている経営者は、あまり多くないように見受けられます。

 

経営者からすれば、社員のために、社員が路頭に迷わないように、先々のことを色々と考えて、新しい打ち手を打っているという自負がありますが、社員からすると、「また何か社長が始めちゃった」、「オレたちの稼いだお金を、新しいことにつぎ込んで、なくなってしまっている」と思われてしまうケースが多いようです。

 

しかし、当然ですがそのように声に出して、社長に伝えるような社員は多くはありません。高みの見物を決め込んでいる方もいます。そのため、社長は、なんで社員のために考えているのに、冷ややかな目で見られるんだろうと、多少、疎外感を感じながらも、成功するために、ますます一生懸命邁進しているケースもあります。

 

その結果、どんどんと社長と社員の気持ちが離れてしまうことになってしまうのです。

 

ではいったい、どのようにこれを回避したら良いのでしょうか?

 

それには、まず、なぜこの新しい事業を我々はやるべきか、ということを説明する必要があります。さらには、それを書面に起こして、周知徹底する必要もあります。まずは理解してもらうための努力を行う必要があります。

 

経営目的に照らし合わせて、やるべき事業なのかどうか、そして、経営戦略策定に必要ないくつかの重要な視点のうちの1つ「シナジー」が活かされている事業なのかどうか、ここが新規事業を始める大きなポイントになってきます。

 

「シナジー」とは、聞きなれない方もいらっしゃるかもしれませんが、「相乗効果」と日本語には訳され、既存事業(本業)と、その新規事業に相乗効果はあるのだろうか、その相乗効果を発揮するために、既存事業(本業)との何かしらの関連性は活きているのだろうか?ということを踏まえたうえで、複数の検証ポイントを精査していきます。

 

かつてユニクロは、野菜ビジネスを始めましたが、わずか1年半余りで撤退しました。後々、ユニクロの柳井社長は、本来新しく始める事業や商品、サービスとは、自社の強みが生きる事業、もしくはプラスの相乗効果(シナジー)が望める事業でないと成功は難しい、と語っています。

 

さらに言えば、そもそも、新規事業を始める前に、既存事業(本業)でもっとやるべきことはないのか、そしてその上で新規事業を始めるべきなのか否か、という、これから会社が選ぶべき戦略の仮説の全体感を踏まえた上で、何から優先してやるべきか、何に力を入れていくべきか、を意思決定していく、このことこそが、経営者の大切な経営判断になるのです。

 

これまで当社のコンサルティング経験では、経営者が幹部社員と一緒に今後の経営戦略のシナリオを描き、しっかりと戦略を見える化して、新規事業を立ち上げている会社がたくさん存在します。

 

そのように経営戦略を見える化している会社は、その後の社員の協力も得やすく力強い成長をしています。直近の事例では、大口の売上げを失いつつも、経営危機を見事に回避して、復活した企業などもございます。ぜひ、今後の事業成長のために、「シナジー」が効いた戦略づくりに挑戦して欲しいと思います。

 

株式会社ミスターマーケティング

代表コンサルタント

吉田 隆太

 

  【追伸】

来月、8月のセミナーでは、BtoBの特殊な領域で事業を行っている会社が、市場をつくっていくプロセスや、「売り方」で突き抜けた事例など、コラムでお伝えしきれない内容をご紹介します。これから、新しい取り組みをしていく経営者にとって、絶対に外せない重要な視点について丁寧にお伝えします。

 

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~中小企業のための「カテゴリーキラー戦略」~