第11話 価格競争から一転、製造工場を一気にフル稼働させた方法とは?
「これまで、段ボール会社の差別化は難しいと思っていましたが、
教えていただいたことを実行したら、注文がすごく増えて、
工場がフル稼働しっぱなしの状況です・・・。」
※カテゴリーキラーとは、顧客のココロに突き刺さる、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業のこと。
(→お客様の声は、こちらから)
今回ご紹介している段ボール製造業のケースは、業界全体が価格競争に陥っており、非常に厳しい状況から抜け出すための新しい取り組みでした。しかし、当初はその新しい取り組みが、うまくいっていなかったところで相談に来られたものです。その後、社長自らが先頭にたって戦略をつくり、大きな成果を上げました。これはまさに、飽和した市場でどのように差別化していくかについて、真剣に向き合った結果です。
素晴らしい「想い」をもち、理想を高く掲げている経営者が、必ずしも市場と向き合った「戦略」を作るプロではありません。ですから、せっかくの素晴らしい「想い」を持ちながらも、「戦略」が弱いために、大きな投資をして、それがうまく回収できなかったり、時として倒産に追い込まれてしまったりするケースが後を絶ちません。
私どものところに相談に来る段階で、「数千万円の投資をしていてうまくいっていない」とか、「いろいろと新しいことに挑戦してきたが、あと半年持たないところまで資金が厳しくなっている」など差し迫った状況の経営者もいらっしゃいます。
本当にそれまでの投資や時間がもったいないと思います。そこに至るまでのプロセスが、しっかりと市場に向き合った戦略をもって、挑戦していればよいですが、まったく勘だけで大きな投資をして、赤字が続いている企業も多いものです。もちろん、勘や現場の気づきを否定しているのではありません。問題は、その勘や気づきから市場と向き合う段階での戦略です。
当社では、競合他社を圧倒する強い・商品サービスを「カテゴリーキラー」と呼んでいますが、まさに、今回の段ボール製造業のケースは、カテゴリーキラーを生み出す戦略を徹底的に追求しました。社長は、カテゴリーキラー戦略のコツをつかんだことで、今後も益々躍進されると思います。成功体験を積んだ経営者は、その再現性を強く認識して、さらなる挑戦をされます。そして、打率がどんどん上がっていきます。これまで、そういう経営者をたくさん見てきました。
一方で、いつまでも勘だけに頼ってしまい、新しい取り組みがなかなかうまくいかず、現状を打破できない企業が多いことも事実です。新しい取り組みが中途半端で、だらだらと時間が経過してしまい、気づいたら既存の事業で、競合に一気に攻め込まれたり、顧客ニーズの変化に対応できず業績が大きく落ち込んでしまった企業の話はよく耳にします。
厳しい状況に陥ると、慌ててプロモーションや集客にお金を投資するものの、なかなか回収できない現実に直面します。そうなる前に対策が必要です。当社に相談にこられる企業の中でも優秀な経営者は、調子が良いときに常に次の手を打って、しっかりと対策をしています。
ここでご紹介した段ボール製造業の社長は、冒頭のコメントのようにこれまで、段ボール会社の差別化は難しいと思っていたそうです。多くの企業が自分の業界は特別だと思いがちですが、お客様と競合がいる、という点で市場のとらえ方は変わりません。
ですから、どんな業種業界もチャンスがあります。そのチャンスを最大限に活かしていくためには、勘だけで突っ走るのではなく、勘や気づきからスタートして、そこから徹底して市場に向き合って、戦略を組み立てていくことが大切です。
今回ご紹介した段ボール製造業のケースは、お客様の声としてインタビューにご協力いただきました。以下のサイトで紹介していますので、ぜひお時間をとってお読みください。きっと皆様の業界も、もっと突き抜けるチャンスがあるとイメージできると思います。
(→お客様の声は、こちらから)
本レポートが貴社のお役に立てましたら幸いです。
代表コンサルタント
村松 勝
次回、8月9月のセミナーでは、BtoBの特殊な領域で事業を行っている会社が、市場をつくっていくプロセスや、「売り方」で突き抜けた事例など、コラムでお伝えしきれない内容をご紹介します。これから、新しい取り組みをしていく経営者にとって、絶対に外せない重要な視点について丁寧にお伝えします。(8月は、残りあと1席です)
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