第73話 ピンチのなかで「すぐやる人、やらない人」
「ミスターマーケティングのコンサルティングは、私どもがピンチをチャンスに変えることができた1番の理由です」
先日、当社のコンサルティングを終了した方から、そのようなご連絡を頂きました。
※カテゴリーキラーとは、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業のこと。
今、この新型コロナウィルスによって、多くの会社が非常に大変な状況を迎えています。
対面を主とする飲食業や店舗などのサービス業はもちろんのこと、BtoBビジネスであっても、BtoCビジネスであっても、厳しい状況が続いています。やはり営業という対面が難しくなっていることもありますし、中国からの部材などが手に入らないことによって、仕事が進まなくなっていることも影響しております。
ありとあらゆる企業が、この危機をどのように乗り越えていくか、そのような状況に直面しています。
もちろん、Amazonなどのネット通販企業を始めとして、対面を必要とせずに販売できるような仕組みを持った会社などは、むしろこの「巣ごもり消費」において、売上を伸ばしています。
しかし中小企業の多くは、うまくいっている会社よりも、大変な状況に置かれている会社が多いのではないでしょうか。
冒頭のご連絡を頂いた会社も、3月初旬ごろ、例外なくコロナの影響で厳しい局面を迎えていました。
この会社は、ある雑貨ブランドを製造小売りしている会社です。昨年6月頃からコンサルティングがスタートして、今年の1月に終了致しました。
終了した1月頃には、日本においてコロナも対岸の火事であり、この会社の業績も昨年末ごろから上向きつつあり、将来への期待と希望を胸に、コンサルティングが終えました。
しかしご存じのように、2月後半になり、コロナの足音が急激に日本にも迫り、なんと学校が急に休校するといった政府の要請もあって、日本全体がコロナという目に見えない病魔に襲われ、それに伴い、経済も崩れ落ちるようにして悪化し始めました。
食品やトイレットペーパー、マスクなどの一部の必需品を除けば、緊急を要さない商品やサービスは、いずれも需要が激減し、それらを製造する企業を始めとして、多くの会社の仕事がストップし始めました。
この会社も同じように置かれた環境下の中で、3月下旬に社員から、あるアイデアの提案がありました。それは、これまでその会社が得意としていた製造技術を使うことで、生み出せる商品でした。そして何よりも、この商品が、現在、人々が非常に必要としていたモノの代替となるような商品でした。
それからの経営者の動きには目を見張るものがありました。わずか10日で商品化し、プレスリリースまで配信しました。
そうしたら、たった1つのプレスリリースから、多くのメディアが取り上げることになり、また、これらの情報を見た消費者が、こぞって、その会社が運営していたサイトに殺到し、ほぼ即日完売となりました。
この商品化、プレスリリースまでのスピード感もさることながら、非常に秀逸だったのが、その商品のコンセプト、ネーミング、タグライン、そして商品パッケージです。
特にネーミングは素晴らしいものでした。ネーミングは、考えるに当たって、いくつかの重要なポイントがありますが、いずれのポイントもクリアしていたものでした。そして、特に重要なポイントは、そのネーミングを聞けば、何だかわかる、という点です。
この商品も、その聞けば何だかわかるものでありながら、非常にインパクトのあるネーミングになっていました。当社が指導の中でお伝えした「ブランディング」の重要ポイントをしっかりと活かしていると感じました。
その4月の上旬から、製造現場はフル稼働、かつ経営者もメディアに引っ張りだこで、このような状況下において、まさに「ピンチをチャンスに変えた」会社です。
このように、近年は、当社の指導を活かして、すぐに行動に移す会社が、以前よりも増えてきていると感じます。より一層、積極的な経営者が当社に集まるようになっています。
今月もこんな状況でも、前向きな経営者は、当社のオンラインセミナーに参加されたり(本日15時~・ネット配信予定)、オンラインでのコンサルティングを受けながら、コロナの先の経営を真剣に検討しています。中には、コロナで、人々のニーズが変化していく、その流れをチャンスに変えて、戦略づくりをしている経営者も少なくありません。
一方で、残念ながら、当社の指導を受けて「カテゴリーキラー戦略」をつくったあと、しばらく経っても実行されない方が、わずかですがおります。
今年に入って、いくつかの嬉しい報告を頂いておりますが、いずれの経営者も、コンサルティング終了後に、できるだけ早く商品化、サービス化して、販売をスタートさせていいます。中には、コンサルティング中にも、どんどん実践していき、成果を出す方もいらっしゃるぐらいです。
もちろん基本的には、やはり「カテゴリーキラー戦略プラン」をしっかりと作成して頂き、実行していくことが大切です。いくら、早く実行した方がよいと言っても、戦略プランや仮説もなく、闇雲に手を出すことは、経営者として慎むべきです。
たとえ当たったとしても、いわゆる「まぐれヒット」となり、それは再現性がないからです。もちろん「まぐれヒット」さえもしなければ、当然、お金と時間と、そして経営者が闇雲に思いつきでやってしまったがゆえの、社員からの信頼を失っていきます。
成果を出している優秀な経営者は、思いつきや闇雲にやっているように見えても、実は、脳内シミュレーションをしっかりやった上で、実行しています。
ある著名な経営者も、ある事業を立ち上げるまで、6ヶ月もの間、自問自答しながら戦略を練り上げたということをおっしゃっています。結果としては、誰もが知るような大事業へと成長しました。
いずれにせよ、何よりもまず重要なことは、実行してみることでしょう。
プランが出来上がったら、すぐやるべき理由は、「鉄は熱いうちに打て」ではありませんが、やはり一番その経営者が、そのプランに対して気持ちが乗っているときだからです。一気呵成に実行することで、実行して失敗するかもしれないという不安を吹き飛ばす勢いで、カタチにしていくことができます。
時間が経てば、もしかしたら失敗するかもしれない、という不安が徐々に頭をもたげ、ついには実行せずに、お蔵入りとなってしまうことがあります。
もちろん、その事業や商品、サービスの提供するタイミングもありますので、一概には言えませんが、しかし、絶対カタチにして成功させる、という気概を持たなければ、「絵に描いた餅」のままです。
そのようにしないためにも、実行し続けることが大切なのではないでしょうか。
今、このコロナウィルスは、経営者の真価が問われている時です。
どの企業も、ここから打つ次の一手は、絶対に失敗できません。
そして、これ以上大切な資金を無駄にしないためにも、ぜひ、「戦略」の精度を高めて、一気呵成に挽回チャンスを狙って頂きたいと思います。
まだ、何かできることはないのか、と自らに問いかけてみましょう。
そして、絶対積極の心で向き合えば、必ず道は開ける、と信じて、この難局を乗り越えていきましょう。
株式会社ミスターマーケティング
代表コンサルタント
吉田 隆太
【追伸】
現在、このような状況下において、オンラインでのセミナーのほか、コンサルティングにつきましてもオンラインで行っております。
また個別相談としての「スポットコンサルティング」も、オンラインで行っております。
もし、このコロナで活動が抑制されてしまい、それでもここからの次の展開を考えていきたいと考えている経営者の方がいらっしゃったら、「スポットコンサルティング」を活用してご相談下さい。
経営者の一番の資産が、経営者の時間です。
今何に時間を割くべきなのか、その意思決定こそが、これからの経営を大きく左右していきます。