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COLUMN 儲かる10億円ヒット商品・事業をつくる「カテゴリーキラー戦略」コラム

第78話 人と事業を同時に成長させる方法


「おかげさまで、カテゴリーキラーをつくり、先月は売上が3倍増になりました。成果が出せている事でほっとしています。」


冒頭の報告を頂いたのは、当社の指導を受けたハウジング系サービスを提供している会社です。

当社の指導を受けた後、既存サービスの戦略を見直して、「カテゴリーキラー」として数カ月前に発売をスタートしました。

 

コロナ禍での販売開始に不安はあったものの、好感触でスタートを切り、先月は売上が前年比で3倍増の実績を残すことができ、この報告を頂きました。

 

同社のプロジェクトは、非常に珍しいケースでした。

それは、当社で開催している毎月のセミナーにはじまり、スポットコンサルティング(コンサルティングを受ける前の個別相談)、そして、コンサルティングの開始から終わりまで、全て、社長が参加しなかったということです。

 

当社のコンサルティングを受ける会社には、基本的に全て決裁者である社長に参加してもらうようにお願いをしています。

それは、決裁者が当社の指導内容や、議論のプロセスを理解していないと、戦略的な意思決定において、理解が得られず先に進まないことがあるからです。

過去に、そのような残念な経験を何度かしてきたので、基本的には、どのプロジェクトにも社長にはコンサルティングの場に参加してもらっています。

 

コンサルティングでは、どのプロジェクトも自社商品・サービスを、綿密に戦略を練って市場に適合させていき、カテゴリーキラーとして売れる形にするお手伝いをしています。

コンサルティングがはじまると、実践に即した課題が出ます。この課題をしっかりとやりきるかどうかが成否を分けます。生半可な気持ちで受けると、課題をやりきれず、よいアウトプットはできません。

ですから、コンサルティングに投資をする社長自らが、リーダーとしてやりきる覚悟をもって参加してもらうことが、一番成功確率が高いと考えています。

 

このハウジング系サービスの会社の幹部社員は、

「社長はこのプロジェクトには入れません。私たちでしっかりやりきります。」

と、かなり強い意志で当社に来られました。

 

正直に申し上げて、社長抜きのプロジェクトは少し不安でした。しかし、そんな不安は、参加メンバーの想いや取り組み姿勢を見るとすぐに消えました。

 

コンサルティングに参加した選抜したメンバーは、非常に情熱的で、理解度も高く、毎回の課題を着実にクリアしていきました。

特に、共感をした点が、プロジェクトメンバーの想いです。

それは、同社の業界が少しダークなイメージがあるということで、それを払拭して、

「クリーンなイメージのパイオニアになる」

という、全員一致のビジョンです。

 

同社は、誠実に、正直に、クリーンなサービスを提供しています。社員教育にも非常に力を入れており、サービスに対する意識が高く、感じのよいスタッフばかりです。

しかし、過去に一部の悪徳業者によって、業界的に悪いイメージが広まってしまい、まじめに業務を行っている同社としては、どうしてもこのビジョンを達成したいという強い想いがあったのです。

 

そんなメンバーが、1年かがりでカテゴリーキラー戦略をつくりあげました。

カテゴリーキラー戦略は、ビジョン設定から、市場で勝負していく競争軸の設定、そして、戦略商品のラインナップづくり、新規顧客を獲得するための言葉の開発など、ひとつひとつを丁寧に組み立てていく非常に地道な作業です。

 

この過程でひとつでも手を抜いたり、やっつけで作業をしたりすると、最終的に良い戦略はできません。最初のスタートから最後まで、集中して、徹底してやりきる姿勢が問われます。

 

正直に申し上げて、実際にコンサルティングを受けられる企業の中には、途中でトーンダウンしてしまうプロジェクトもあります。

時間がなくて課題をやってきませんでしたと、平然とコンサルティングに参加されたり、残念ながら、詰めが甘くて中身が薄いケースもあったりします。そういうプロジェクトは、経験上あまりうまくいきません。

もちろん、そうならないように私どもも配慮はしますが、人のやる気や仕事に対する取り組み姿勢は、そう簡単に変わるものではありません。

 

ここで重要な役割を担うのは、間違いなく、プロジェクトリーダーです。

成果を出すまで、最後まで、決して手を抜くことなく集中してやりきる覚悟を持ったリーダーです。

そんなリーダーがコンサルティングを受けると、おのずと良い戦略アウトプットにつながり、そしてよい成果につながっていきます。

 

いよいよ、1年がかりで作り上げたカテゴリーキラー戦略の内容を、社長以下、全社員が参加する会議でプレゼンテーションすることになりました。

ここで、社長の理解が得られないとその先に進めません。その先とは、既存サービスの打ち出し方を大幅に変更することです。

それは、戦略的に設定したメインターゲットに刺さるブランドイメージやメッセージ、サービスメニューの見せ方や、サービスの提供スタイル、プロモーションに至るまで一連の取り組みです。

 

このプレゼンテーションは、参加メンバーにとって、最初の大きな関門でしたが、結果は大成功でした。

いつも厳しい意見をする社長が、この日は身を乗り出すほどテンションがあがり、1年間コンサルティングを受けて戦略を創り上げた価値を理解してもらうことができました。  

そして、無事に戦略を実行に移すことになりました。

 

社長の承認を得てほっとしたものの、その時点では戦略はあくまで、仮説にすぎません。これをしっかりと実行に移して、やりきってこそ成果につながります。

おそらく、実行に移して成果が出るまでは、プロジェクトメンバー全員が不安だったのではないかと思います。

 

実行フェーズでは、すぐに手ごたえが分かりました。同社は、インターネットの集客をメインにしていたため、過去のウェブサイトと比較すると反応が高く推移していきました。

そして、1カ月、2カ月と経過すると。昨年対比でその差は歴然となり、冒頭の報告を頂きました。昨年は、コロナの問題がなかったことを考えると、その点を考慮しても、非常によい反響が得られています。

 

おそらく、このプロジェクトをやりきったリーダーの幹部社員や、参加メンバーは、商品・サービスが売れる市場の原理原則を理解し、そのことが腹に落ちる感覚を得られたのではないかと思います。

 

もちろん、まだスタートしたばかりで、今後も、競合の動きや顧客ニーズの変化によって戦略を見直すタイミングはあると思います。

しかし、当面は、今回設定した戦略骨子に従って、プロモーションや営業方法に改善を加えていけば、自社独自の市場がもっともっと勢いを増して伸びていくでしょう。

(同社の事例は、別途詳しいレポートをお届けする予定です)

 

このハウジング系サービスを提供している企業のケースは、社長がコンサルティングに参加したい意思があったにもかかわらず、社長抜きで、成果に結びつけるまでやりきったという非常に珍しいケースです。

 

このように、社長抜きで、コンサルティングを受けて成果を出されるケースは、これまでにも何度か経験がありますが、ポイントは、以下の通りです。

 

コンサルティングに参加するリーダーが、

1.ビジョン達成に強くこだわっている

2.責任をもって最後までやりきる資質がある

3.社長に信頼されている(社長が任せきる覚悟をしている)

 

この条件をクリアしていれば、社長が不在のコンサルティングでも成果を出せることが分かってきました。

 

プロジェクトで成果を出すと、売上が上がるだけでなく、参加したメンバーが大きな自信をもって成長します。

それを見ていた社長が、参加メンバーの役職を引き上げることも少なくありません。

役職が上がれば、仕事の領域も広がって益々楽しくなり、さらに大きな挑戦をしていくことになります。そうやって成長していく、人や事業を何度も見てきました。

 

1番の「ビジョン達成に強くこだわっている」点は特に重要です。このビジョンが、社長と共有できていることがポイントになります。

そのためには、もちろん、社長自身が、会社が目指す未来を描いて、常日頃からロマンを語れることが重要です。この夢、ロマンに強く共感している社員がいれば、その社員には大きな成長チャンスがあります。

 

 2番の「責任をもって最後までやりきる資質がある」は、やらせてみなければ分からないというタイプは、少し難しいかもしれません。既に過去の仕事や、もっといえば人生経験で大きな課題をクリアして、やるといったら最後まであきらめない、そういう資質を持った人です。

 

 3番の「社長に信頼されている」という点ですが、単に信頼しているというレベルではなく、社長が失敗を覚悟で任せきれるレベルの信頼が求められます。

たまに、既存事業を「守れ」という指示をだしながら、同時に新規事業を立ち上げて「攻めろ」という指示を出している社長がいますが、これは非常に中途半端になります。 

もちろん、その会社の状況にもよりますので、一概に良し悪しは言えませんが、新規事業を立ち上げるということはそう簡単なことではありませんから、社長なり、リーダークラスの社員が本気で取り組む必要があります。

既存事業を抱えながら新規事業に取り組むということは、悪い意味で、既存事業に稼働を取られるため、新規事業が進まない「言い訳」にもなりやすいです。

下手をすると既存事業も油断がでて落ち込み、新規事業も立ち上がらないということになりかねません。新規事業を立ち上げる際は、専任の担当者が背水の陣という意識で、本気で挑戦する必要があります。もしも、新規事業に手が回らないのであれば、中途半端に手を広げずに、既存事業を強化する方がはるかに効率的です。

 

もし、あなたの会社にも上記の3つの条件を兼ねそろえた社員がいるとすれば、将来の経営者候補になる可能性があります。

その社員に成長してもらうための手法はいくつかあると思いますが、ひとつの選択肢として、「自社独自の新しい市場を創る」という、会社として一番重要な任務を与えてみることも検討してはいかがでしょうか。

 

企業は、自社の商品・サービが売れなくなったら、そこで終わりです。逆を言えば、売れる商品・サービスを生み出し続ける会社を創れば、会社はどんどん成長します。

ですから、会社としてそのノウハウ、つまり自社商品・サービスを市場に適合させるための戦略立案スキルをしっかり身に着けるべき、というのが当社の考えです。

 

人の成長には時間がかかりますが、新しい市場を創り上げていくことも時間がかかります。

その時間をいかに短縮して、スピード感を持って進化できるかが、コロナの問題を乗り越え、会社を成長発展させていく大きなポイントになると思います。

 

次の経営者候補の育成は進んでいますか?

 

 

株式会社ミスターマーケティング

 代表コンサルタント

村松 勝

 

 

【追伸】

 今回のハウジング系サービスを提供している会社の詳細は、別途レポートでお伝えいたします。また、当社のホームページでは、「お悩み解決事例」を多数公開しています。お時間がある時に是非お読みください。きっと、あなたの会社の成長のヒントにつながる気づきが得られると思います。

「お悩み解決事例」はこちらから

https://www.mr-m.co.jp/category/case-study/