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COLUMN 儲かる10億円ヒット商品・事業をつくる「カテゴリーキラー戦略」コラム

第103話 2022年、自社のビジネスチャンスに気づく4つの視点

コロナによって、ある事業が大きく売上がダウンした中で、新しいコトに取り組まないといけないと思っているのですが、何から手を付けるべきなのか悩んでいます

先日、ある食品メーカーの経営者からご相談がありました。

 

※「カテゴリーキラー」とは、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業のこと。


 

いつの時代も、経営者は、今、何に取り組むべきか、その意思決定が会社を維持、成長、発展させていくうえで、非常に重要になります。

 

企業の経営資源は、人財や設備、お金などのヒト、モノ、カネに加えて情報とも言われます。

それらも大事ではありますが、私は、それらに加えて時間というものがとても大事だと思います。

社員の時間もさることながら、なんと言っても経営者の時間が、もっとも貴重な経営資源ではないでしょうか。

 

社員は多くの場合、上司などの指示によって、ある程度やることが決まっています。その取り組むべき事柄の中で、効率的に時間を使うということは求められるでしょう。

 

一方で、経営者には上司がいません。

つまり、何をやるにせよ、基本的には自分が決めてよいという自由さがあります。

遊んでいたって、誰も咎める人はいません。

 

経営者に限った話ではありませんが、体調を維持するうえで、寝ることも大事ですし、運動も大事です。家族との時間も大事ですし、一人で過ごす時間も大切です。仕事やプライベートなどでも、誰かとの食事や会食含めて、人と会うことも大切なことがあります。

 

情報収集においても、出張や出かけることもあれば、書籍やセミナーなどを通じてインプットすることも大切になります。もちろん趣味などを興じる時間も必要かもしれません。

 

このように考えていくと、24時間という限られた時間の中で、経営者は特に、その選択の自由があるだけに、どんなことに意識を向けて、何に時間を使うのかが重要になります。

 

そのように考えて、では、いったい経営の中で何に時間を割くのか、その1つに、やはり「売上を生み出していく活動を行う」ことを否定する人はいないでしょう。

 

広い意味では、財務や人事労務も、売上をつくる投資資金の手当てであったり、人財採用や育成、給与体系などを揃えていくことも、売上につながることではあります。

 

それらの活動も、売上を生み出していく活動ではありますが、ここでは、もう少し直接的に考えていくと、大きく4つの選択肢があります。

 

1つめは、既存の商品やサービスを、既存の顧客層に売っていくこと

2つめは、既存の商品やサービスを、新規の顧客層に売っていくこと

3つめは、新規の商品やサービスを開発して、既存の顧客層に売っていくこと

4つめは、新規の商品やサービスを開発して、新規の顧客層に売っていくこと

 

この4つの選択肢の中で、どこに力を入れていくのが自社にとって良いのか、このことは慎重に考えなければなりません。

 

難しさの程度やリスクの大きさ、そして売上が上がるまでの時間を考えると、4つめの、「新規の商品やサービスを開発して、新規の顧客層に売っていくこと」が、一番大変です。

 

よって多くの場合は、新しいことをやっていくといっても、2つめの「既存の商品やサービスを、新規の顧客層に売っていくこと」か、3つめの「新規の商品やサービスを開発して、既存の顧客層に売っていくこと」かの選択肢となります。

 

もちろん、新型コロナウィルスによって、飲食業のように突然需要が蒸発してしまう業界もあるため、一概に4の選択肢を否定することはできませんが、それでも全く違うことをやるというよりは、今の事業の延長線上でチャンスはないかと、まず考えることは大切です。

 

さて、冒頭のある食品メーカーの経営者からの相談において、

「コロナによって、ある事業が大きく売上がダウンした中で、新しいコトに取り組まないといけないと思っているのですが、何から手を付けるべきなのか悩んでいます」

とありましたが、あなただったらどのように考えるでしょうか?

 

ご自身の事業に照らし合わせたときに、今、何をしていくべきなのでしょうか?

 

この食品メーカー経営者の話をじっくりと聞いていくと、あることがわかってきました。

会社としては複数の事業を手がけていました。

まずコロナによって大きく売上の下がってしまった事業に関しては、今、てこ入れをしても限界があるように思いました。

次に、それとは別の事業において、今、取り組んでいることを聞いていきました。

そして、これから取り組んでいきたいと考えている新しい事業についても聞いていきました。

 

この経営者は、これから取り組んでいきたいと考えている新しい事業に力を入れていきたいと考えているようで、すでにそれに合わせて設備なども購入して準備をしていました。

 

しかし、よくよく聞いていくと、今取り組んでいることの中で目がありそうなことがわかってきました。

需要はあるものの、設備の関係で供給が追い付かずに時折、生産をストップしなければならないようで、それには設備投資が必要であるということです。

 

その話を聞いた私も一緒に相談を受けていた村松も、その時「んッ!?」というハテナ顔になっていたのだと思います。

 

そこで聞きました。

「もし、その設備を購入すれば、今のその事業の売上はどのぐらいになるのでしょうか?」

 

 そうしたら、

「売上は2倍にはなると思います」

 とのことでした。

 

しかし、設備投資するにはお金が必要であり、今、それだけのお金がないので投資は難しいと話されていました。

 

でも先ほど、これから新しい事業に取り組むための設備をすでに購入している、という話をしていました。

どうやらそこで、現在手当てできるだけの資金を使っているようでした。

 

このことは、新しい設備を導入せずに、既存の商品をもっと販売していくための設備に投資をすれば、新たに市場開拓や販売促進をせずとも、売上が伸びていくことは容易に想像できます。

 

つまり、4つの選択肢のうち、まずは、

 

1の、既存の商品やサービスを、既存の顧客層に売っていくこと

 

で進めていけるはずでした。

 

このように考えると、新たな事業に取り組む意欲はとても素晴らしいものですが、もう少し事業の全体感を把握してから打ち手を打っても遅くはなかったのだと思いました。

 

 

次に、この食品メーカーとは別の話ですが、過去にある機械設備メーカーの経営者から、ご相談いただいた話をしたいと思います。

 

簡単にお伝えすると、本業の粗利が低下しているため、新しい事業に取り組んでいる、とのことでしたが、いくつか打ち手を打っているものの、なかなか成果につながらない、とお話されていました。

 

よくよく聞いていくと、確かに新しい事業への取り組みは、すぐには大きな売上につながらないように感じました。

もっと言えば、その新しい事業は、その会社にとっては新しい取り組みであっても、すでにその新しい事業を展開している業界には、すでに何年も前から多くの競合他社が取り組んでいるような市場環境でした。

 

確かに粗利の低下が厳しい本業において、既存の顧客層に対して粗利を上げていくことは難しいと思いました。

しかし、その製品を活かして新しい市場に打って出れば、まだ可能性があるようにも感じました。

 

つまり、この4つの選択肢のうち、

 

2の、既存の商品やサービスを、新規の顧客層に売っていくこと

 

この検証をしてからでも、遅くはないと思いました。

 

新たな商品やサービスを立ち上げることは、それにも労力がかかります。

ましてや、それらを新しい販路の開拓も含めて検討していくこと、つまり、

 

4の、新規の商品やサービスを開発して、新規の顧客層に売っていくこと

 

については、前述したように、難しさの程度やリスクの大きさ、そして売上が上がるまでの時間を考えると、一番大変です。

もう少し慎重に検討してからでも遅くなかったようにも思うのです。

 

 

最後に紹介したいのは、当社の指導を受けた、ある業務用資材のメーカーです。

この会社は、本業における厳しい価格競争から抜け出したいと考えていました。

そこで、新規事業に注力していたものの、そこでは本業とは別の強みを求められて苦戦をしていました。

 

当社の指導を受ける中で、あるきっかけから、本業の延長線上で提供可能な、新たなターゲット層に向けた商品を開発しました。

 

そして、その事業は、実は顕在的なニーズはあったものの、まだ、どの競合他社も提供できていないことがわかりました。

 

そして、その商品を自社サイトで掲載したところ、注文が殺到し始めて、工場がフル稼働しっぱなしの状況になりました。

※本実例は当社書籍「小さなメーカーが生き残る経営術」に詳しく掲載しております。

 

この業務用資材メーカーの例で言えば、注力していた新規事業は、

 

4の、新規の商品やサービスを開発して、新規の顧客層に売っていくこと

 

でした。

しかし、当社との取り組みの結果、

 

2の、既存の商品やサービスを、新規の顧客層に売っていくこと

 

に狙いを定めて、コンサルティングで掘り下げて検証し、既存の取り扱い商品の中でも、その1つに、強いニーズがあることがわかりました。

 

そして、それは、新たな設備や投資が必要のないものでした。

 

もちろん、多少のプロモーションコストは必要になりましたが、それも最低限の投資で、非常にうまくいきました。

 

 

改めてこの3つの会社に共通して言えることは、新しい事業に取り組んでしまう前に、既存の事業も含めて、どのような事業展開可能性があるかという視点が欠けていることにあります。

 

 つまり、どの事業にヒト、モノ、カネ、そして経営者の時間を割くのか、これを意思決定するためには、できるだけ、今の事業や今後やりたいと考えている事業を、いったんテーブルにあげて検討してみることです。

 

 そして、基本的には、

 

1つめは、既存の商品やサービスを、既存の顧客層に売っていくこと

2つめは、既存の商品やサービスを、新規の顧客層に売っていくこと

3つめは、新規の商品やサービスを開発して、既存の顧客層に売っていくこと

4つめは、新規の商品やサービスを開発して、新規の顧客層に売っていくこと

 

の4つの選択肢のうち、一般的には、今やっていることをもっと伸ばせないのか、という1つめから検証していくことが大切です。

 

その理由は、難しさの程度やリスクの大きさ、そして売上の上がるまでの時間の観点で考えると、1つめが一番取り組みやすいからです。

 

そして順番として次は、2つめか3つめについてを検討していきます。

 

もちろん企業ごと、業界ごとによっても、経営環境が異なりますので、一概には言えないことは重々承知の上です。

 

しかし、今一度、新しいことや、どこか遠くにビジネスチャンスがあるのではなく、目の前にあった石の塊が、実は磨けば光るダイヤモンドだったように、まず目の前にあるビジネスチャンスに気づくことも大切なことです。

 

ぜひ、この2022年という新しい年の始まりに、いったんご自身のやっている事業や今後やっていきたい事業も含めて、洗いざらい検証してみることをお勧めします。

 

その中で、2022年、カテゴリーキラーの原石となりえる、磨けば光るダイヤモンドや金の鉱脈が意外と足下に見つかるかもしれません!

 

今一度、2022年が始まるにあたって、今年の売上の柱を探しませんか?

 

追伸

当社では、何を事業の柱にしていくのか、そんな視点も含めて、自社の商品、サービス、事業について、カテゴリーキラーにしていくための検証できる機会として、セミナーを行っています。

 

2022年は、当社の「カテゴリーキラーの作り方セミナー」について、隔月に1回リアル会場(東京)で行います。また、そのセミナーは、オンラインでの配信も行いますので、どこからでも受講が可能です。

また、隔月でのセミナーを待っていられない、すぐにでもセミナーを見たいという方には、いつでもどこでも受講するができるセミナー動画のオンデマンド配信もスタートしました。

 

既存の事業にせよ、新しい事業の取り組みにせよ、カテゴリーキラーになりえる売上の柱をつくっていきたい、商品を開発していきたい、会社や商品、サービス、事業をブランディングしていきたい、と考えている方には最適なセミナーです。

 

2022年がスタートした今だからこそ、今年どのように経営を組み立てていくか、そんなヒントをお探しの方は、一度受講されることをお勧めします。

セミナーについての詳細は以下のサイトにてご確認ください。

https://www.mr-m.co.jp/lp/

 

株式会社ミスターマーケティング

代表コンサルタント

吉田 隆太