差別化の大切さのお話 第1弾 あなたの会社、業界に〝光″を!『客の立場に立てば差別化が見えてくる!』
夏も盛りになりつつございますが、皆様、お体がこの暑さに慣れて参りましたでしょうか?仕事後のビールは、美味しいですけど、外回りはきついですね。
夏バテなどなさらぬようお体ご自愛ください。
さて、今回から、マーケティングの基本。『差別化』について、3回連続でお話をさせていただきます。
もし、自社の商品やサービスの『差別化』についてお悩みの方は、ご一読ください。お役に立てましたら幸いです。
昨今は、LCCや格安高速バスなど、移動手段の値下げ競争が活況になって来ています。
しかし、価格を下げるのにも限界がありますよね。このような競争が激化している業界は、サービスをどう差別化して行くかが勝敗を分けます。
とは言うものの、難しいようですね。
市場を上から見つめ、マーケットを面で捉えていると、その答えはなかなか見つかりません。他社と横一線のサービス内容から一歩飛び出すには、顧客の立場に立ってマーケットを見つめ、平面で捉えがちなマーケットを個として捉えることが大切です。
より細分化されたニーズに丁寧に応えていく行為が、他社との違いを明確にし、顧客に選択される理由としてサービスの差別化に繋がるということです。
例えば、どこか遠くに移動したい場合を考えてみます。
各種移動手段が競合になってきます。新幹線や、飛行機。低価格を望む場合は、LCC、高速バスなども検討に入るかもしれません。楽しみながら行きたい場合は大型フェリーになるかもしれません。運転やツーリングが趣味であれば、車やバイクになるかもしれません。
それぞれの顧客の立場や、状況に応じて選択肢は変わって来ますが、サービスを提供する側は、誰にとって、喜んでもらえるサービスかを熟慮しなければなりません。
特に競合がひしめいている場合は、他社と差別化をしなければなりません。その差別化の発想の起点が「顧客はだれか」という絞りが必要になってきます。ここにこそマーケティング視点が必要なのです。頭ではわかった気になっても、現場でなかなかできないというのが実感ではないでしょうか。
では、業界的に苦戦している高速バスをたとえに考えてみましょう。(特に業界に詳しいわけではないので、すでに下記のサービスがあるかもしれませんがその場合はご容赦ください。)
高速バスを利用する人は、どんな人がいるでしょうか。
帰省で、使う人。ビジネスで出張に使う人。家族旅行で使う人。いろんな人がいますね。この中で、例えば、ビジネスで使う人に特化したとして考えてみましょう。ビジネスマンにとって何があったら嬉しいでしょうか。あなたがもし、ビジネスマンであれば、少し一緒に考えてみてください。パソコン台や無線LAN、Wi-Fi、出力機が有っても良いかもしれません。上着をかけるハンガースペースひとつあっても嬉しいですよね。電源コードが全てのシートに標準装備されているだけでも嬉しいですよね。更に言えば、打ち合わせテーブルがあれば、複数人での利用も見込め、更なる差別化を図れるはずです。目や脳の疲れを取るサプリメントがあっても喜ばれるかもしれません。
ターゲットをイメージするとどんどんアイデアが出てきませんか?これを商品化したとしたら『お仕事バス?』『打合せバス?』なんてものができるかもしれません。
また別の視点で見ると、子連れに特化した高速バスがあっても良いかもしれないですね。
例えば、2歳~4歳ぐらいの小さい子供を持つお母さんは、移動などの狭い空間では周りに気を遣ったり、子供に気を配ったりでとても大変です。それを強力にサポートするような機能として、おむつ台が有ったり、サービスエリアでの休憩回数が通常より多かったり、子供を飽きさせないアニメの上映、さらに、子供を楽しませる着ぐるみのガイドさん、紙芝居サービス、人形劇サービスなど考えればきりがありません。
このような様々なお役立ち機能を備えた高速バスがあれば、お母さん達にとってどんなに喜ばれるでしょうか。小さな子供と一緒に帰省する際に非常に有益な移動手段として差別化されたサービスになる可能性があります。小さいお子さんとの辛い移動が、エンターテイメントになったらどんなに喜ばれるでしょうか。
その名も『ハッピーバス for Kids』。このハッピーバスをブランド化していけば、「ご老人向け」や「恋人向け」などいろんな切り口で展開できるかもしれません。そして、これを会員化していけば、帰省などの一定の需要が見込め、収益の安定感が出てきます。会員化することで、旅行や物販などのクロスセルも可能になっていきます。
多くの苦しんでいる業界が、ターゲットやサービスを面で捉えてしまっています。その飽和市場から脱却するには、面から個をフォーカスして、いかに細やかなニーズを拾い上げ、実践して行くことが必要です。
私は仕事柄、飽和しているマーケットほどチャンスだと感じます。なぜなら、競合各社がマーケティング発想に乏しいから飽和してしまい価格競争に陥っているのであって、差別化の大チャンスと言えるからです。そして、差別化したからといって安心してられませんね。
よいサービスはすぐ真似られてしまいます。ではどうするか、、、いろんなケースと打ち手があるので、ここでは一概に言えませんが、思いつきで単純に差別化するのではなく、ここも戦略的に考慮していく必要があります。ヒントは、自社にとって有利にそして、長期視点で強みを磨いていく差別化を作り上げる必要があるという事です。
いつまでも、現状のまま続く業界というのは皆無でしょう。
どんなマーケットも飽和していきます。その時が、大チャンスなのです。
あなたの業界はいかがでしょうか?
飽和気味ですか?では、ワクワクしてきませんか?
高速バスとはまったく違う業界だからイメージがわかない??
という声も聞こえてきそうですが、高速バスの例は、話のたとえです。
(ざっと思いつきで出した仮説なので大した案ではない可能性がありますが。肝心なのは、この仮説を検証していくことです。これが結構しんどいのですが、、)
私どもは、クライアントのマーケティング担当顧問として、マーケティング思考ができる人材を育てるというお手伝いをしています。
クライアントの業種は、家電メーカー、アパレル、環境機器販売、ゲーム開発、建材メーカー、金融サービス、健康食品、遊戯施設、食品メーカー、玩具、税務・・・など多岐に渡っていますが、全て同じ思考フレームでアドバイスをしています。業界は関係ないのです。
マーケティング思考ができるようになるということは、「売る企画力」をつけるという事と同義であり、そのスタートが「差別化」を生み出す思考力です。
売っているものをどう届けるかというマーケティングの前に、売っているものそのものを「差別化」された強いものにする必要があります。現場の方が中心となってこの「差別化」が議論できるようになってくると企業の戦力がぐっと高まります。
このブログを通じて、少しでもマーケティングを学ぶ価値と重要性を感じてもらえれば幸いです。
(以下のDVDの応募もお気軽にどうぞ。マーケティングを学びたい方は、1時間ほどでマーケティングの基本と全体感を学べます。もちろん、差別化の成功事例も紹介しています。
次回、「差別化のお話」 第2段もお楽しみに!
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