組織行動論の集団の視点とはどういうものか?
前々ブログにおいて、組織行動論とは、集団の視点、個の視点があると書き、前ブログでは、個の視点で論じた。
今回は集団の視点である。
集団においても、公式組織と非公式組織とあるのだが、公式組織について近代的組織論を構築した、バーナードとサイモンについて紹介したい。
バーナードは、組織の定義づけとして、2人以上の人々の、意識的に調整された諸活動、諸力の体系とした上で、組織が維持するための要素として次の3つを挙げている。
- 共通目的
- 貢献意欲
- 伝達
である。
私はこの要件を見て、素晴らしいな、と思った。確かに本当に必要な要件を言い当てている、と恐れいった。
共通目的は、経営目的、想い、経営理念、ビジョン、ミッション、などにあたる。
貢献意欲とは、参加メンバーの組織に対する、貢献をしていくという意欲である。参加メンバー個人のできることやスキル、価値を提供することで貢献するということである。
伝達とは、コミュニケーションのことで、当然、二人以上の組織になれば、何らかのコミュニケーションが発生し、コミュニケーションのないところでは、組織は運営されない。
そして、バーナードと共同研究をしていたサイモンは、この3つの要素に加えて、貢献意欲は、誘因が必要であると唱えている。
誘因とは、組織が与えるメリット、参加メンバーへの報酬である。
わかりやすいところでは金銭面であるが、それ以外に社会的な地位や、仕事へのやりがい、などがある。それによって貢献意欲はかきたてられる。
それらに加えて、集団の視点において、現在、大切だと考えられるものは、場をつくる、場づくり、という概念である。
よく使う言葉であれば、社風とも言うが、それよりも適切な言葉であると、会社の雰囲気、が最も近いと言えるかもしれない。
人は、場に影響される。良い気が、流れている場だと活性化し、悪い気が流れていると、殺伐となり息苦しくなる。
経営目的や理念、ビジョンに加えて、その場にいる人間性の向上や、コミュニケーションの高い質、プラスの言葉がけ、前向き、感謝など様々な要因が、良い場を作り出す。
この良い場を作り出す意識こそが、経営者やリーダーの1つの仕事なのだと思う。