カテゴリーキラー商品戦略で、初年度から3万個を売る話題の商品に! ―雑貨のヒット商品創出プロジェクト―
背景
佐々木製茶様は、1921年創業で農林水産大臣賞を通算28回受賞するなど、静岡県を代表するお茶の生産事業者です。
しかし、一般家庭で急須を使って茶葉でお茶を飲む習慣がなくなったことで、お茶のマーケットは年々生産量が減り厳しい状況が続いていました。そこで佐々木製茶様は本業の製茶業から派生した茶器(急須)を開発し、もっと多くの人に本物の茶葉で美味しいお茶を飲んでもらいたいと考え、商品戦略として雑貨マーケットに進出しました。
一般的には茶葉と茶器(急須)は近い存在ですが、従来食品業の事業者が、いくらお茶に関連するからといって茶器などの雑貨を、いつもとは違う販路で展開していく場合(新しいジャンルの商品を新しい販路で販売する場合)は、なかなか上手くいくものではありません。
既に量産してしまっていたリニューアル前の商品は、あるバイヤーから「100円ショップでも売れない」と言われ、当初1,800円で販売を考えていた佐々木製茶様も、思ったような売上が上がらずに商品戦略に困っておりました。そこで、当社にご依頼頂き、カテゴリーキラー商品を創出するための商品戦略の構築を行いました。
課題
- 価格に見合う商品デザイン、リーフレットなどのブランドの開発
- 店頭演出なども含めた提案書による、大手小売店各社の販路開拓
解決のためのポイント
- ターゲットを一人暮らしの女性やオフィスで働くOLに特化
- 女性に受け入れられる、カラーなどの商品デザインやパッケージデザイン制作
- ネーミング、タグライン、ロゴタイプ、キービジュアルのブランド表現開発
- リーフレットや店頭POP等のツール制作
- 魅力的なバイヤー向け提案書の作成
- 大手小売店各社への提案実施
結果
- ブランディングが功奏、大手小売店の販路を獲得!
- 初年度から3万個を売るヒット商品に転身
まとめ
本事例は、新しいジャンルの商品を新しいターゲットや販路に販売するといった、非常に難しい挑戦です。本事例は投資も伴うため、中小企業にはリスクの高い施策となります。しかし、前述したように、佐々木製茶様は、もっと多くの人に本物の茶葉で美味しいお茶を飲んでもらいたいと考え、熱い想いで商品開発を実行しました。しかし開発当初は、熱い想いとは裏腹に商品はなかなか売れませんでした。
その後、私どもがカテゴリーキラー化に向けたお手伝いさせて頂く中で、改めてその商品を誰に売るのかを考え、そのターゲットに合わせたデザインを行い、またその商品を手に取ってもらうための最適な販路を設計していくといった取り組みを進めていきました。結果として、大手小売店各社に販路ができ、お花畑のように6色の茶器が店頭を飾り、初年度から3万個を売り上げるカテゴリーキラー商品として華やかなスタートを切ることが出来ました。
本事例の佐々木製茶様は、お茶では歴史と実績がありますが、今回のように過去に経験をしたことがない新分野で成功した背景には、顧客をしっかりと意識して、カテゴリーキラー化の戦略を忠実に実行したことがあげられます。カテゴリーキラーとなる商品を生み出すためには、商品戦略として買い手の視点で仮説をつくり検証することが大切です。この点を戦略的視点でじっくりと検証しないと、せっかくの投資も無駄になってしまいますので、ぜひ慎重に取り組んでいただきたいと思います。失敗するケースのほとんどが、戦略的発想でつめていく作業が甘く、早く形にすることを優先してしまっています。結果として、形にした後に売れないという状況に陥ってしまいます。もし、新商品や新サービスを開発する場合には、これらのことを念頭に置き、慎重に開発することをお勧めいたします。
【追伸】
「カテゴリーキラー戦略」について、手軽に学んでみたいという方のために、
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※文中の「カテゴリーキラー」とは、独自性が高く、競合他社を圧倒するほど差別化された、強い、商品・サービス・事業のことを指しています。