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CASE STUDY お悩み解決事例

当社のコンサルティングをご利用いただいたお客様がどのような経緯で当社へご依頼いただいたのか。当社のコンサルティングをご利用されてどのような変化があったかなど、インタビュー形式でお伺いしております。

※インタビュー記事は、お客様の特別な許可を頂いて、掲載させて頂いております。

カテゴリーキラー事業を生み出して、 過去‟最高売上”の決算を迎えることができました! ・・・競合他社が真似できない領域で差別化が実現し、 お客様が全国に広がっています!(苦境から活路を見出し、1年でV字回復) ー農業資材・卸売業の差別化戦略ー

株式会社小池勝次郎商店

代表取締役社長: 小池 博

セミナー参加後、その場ですぐに申し込み。彼らなら力になってくれるという直感を信じた。

 

ミスターマーケティングのコンサルティングに申し込んだ経緯を教えてください。

小池社長:ミスターマーケティングさんのことは、顧問税理士からの紹介をきっかけに知りました。

その後、インターネットで彼らの取り組みを調べ、彼らが月いちで行っているセミナーに参加しました。

セミナーで話を聞いて確信したのは、ミスターマーケティングさんが独自に提唱する、カテゴリーキラー※戦略なら、農家さんへの農業資材の卸売り事業で、年々激しくなる価格競争や、小売り事業としての店舗運営の苦しさなど、私が抱える悩みや迷いを解決する手助けをしてくれるだろうということです。その場で申込書を書いたくらいですよ(笑)。

決して安くない投資ではありましたが、ミスターマーケティングさんと自身の直感を信じて、コンサルティングを頼もうと決めました。

※カテゴリーキラーとは、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業のこと

 

コンサルティングをスタートするにあたり、参加メンバーはどのように決めましたか?

小池社長:新卒採用した社員の一期生である横山、二期生の宍戸、石原を私が指名しました。

3名とも非常にやる気があって、若手でありながら社内で頭角を現している、影響力が強いメンバーです。

彼らが持てる力を発揮し、またさらに成長してくれることを期待して選びました。

 

自分たちがやりたいこと、できることを徹底的に見つめ直すことからスタート。

コンサルティングの具体的な内容について教えてください。

小池社長:初めに取り組んだのは、“想いの整理”でした。どんな想いで事業にたずさわってきたか、これからどんな会社を目指すのか、何を成し遂げたいのかを明確にしました。

私は常々、「競合との差別化を成功させ、埼玉県を代表する会社になりたい」、また「地元・深谷の衰退を食い止めたい」と考えていました。

特に後者については、強い焦りを感じていました。使われていない畑が増え、農家の方々は高齢化し……そんな深谷の農業がさびれていく様子を目の当たりにして、自分たちが何とかしなければと思っていました。

そうした根本にある想いを整理して、「ネギ栽培と言ったら、こいけやさん へ」と言ってもらえる知名度を目指すこと、そして「日本の農業を活性化し、農家を元気に豊かにする」という理念をさらに強く意識して会社を経営していくことを決めました。

そして、ミスターマーケティングさんの指導のもと、次に取り組んだのは、差別化の源泉となる強みの分析です。

当社には何ができるのか、参加メンバーや社員だけでなく、既存の顧客にも意見を聞きました。

 

宍戸様:店頭にお客さんがいらっしゃった際や、営業がお客様のもとに伺ったときに、「当社のどこを評価いただいていますか? 改善してほしいところはありますか? 競合他社と比べてどうですか?」などと質問しました。

みなさん、当社とは馴染みの農家さんばかりですので、耳の痛いことも含めて遠慮なく言ってくれました(笑)。

その意見は50を超えて、たくさんの気づきがありましたよ。コストをかけずにできる市場調査でしたね。 

 

横山様:そうやって集まった声を分析し、“3つの強み”としてまとめました。

簡単にお伝えすると、1つめが「ネギ総合技術支援力(ネギ栽培に関する知識が豊富であること)」、2つめが「根本解決商品力(肥料などネギ栽培を助ける商品を多数もっていること)」、そして3つめが「ネギに関する人とモノと情報がつながる場の提供(講習会など人や情報が集まる“コミュニケーションの場”を持っていること)」です。

この3つの強みをあぶり出していく過程で、私自身、これまで農家さんへの農業資材の営業を中心に10年以上やってきたことが、とても報われる思いをしました。

 

当社は、農業資材の卸売業です。農業資材については、2つめの強みである「根本解決商品力(肥料などネギ栽培を助ける商品を多数もっていること)」として、自社オリジナルで自慢の商品も数多く開発してきました。

しかし、農家さんが購入する多くの資材は、ご存じのように、農家さんをサポートするために全国展開している超巨大公共機関や、資本力のある大手ホームセンターでも販売しているものです。

そこでは、差別化もなく、残念ながら価格競争に陥らざるを得ない商売をしていました。

また、これまでなんとなく、農家さんに農業資材を卸しながら、ネギ栽培については、計画作りをはじめとして、土作り、苗作り、害虫被害対策、収穫など、様々なノウハウや情報を、無償でお伝えしていました。

しかし、これまでの、そのノウハウや情報のデータを確認していくと、何百もの情報をデータベースに持っていることに気づきました。

そのネギに関する情報やノウハウそのものが、他社に負けない、いや日本で一番、ネギづくりに真剣に向き合ってきた強みだということに気づいたのです。

お客様が農業資材を購入するのは、何かしらのお困りごとを持っているからです。

ただのモノ売りではなく、そのお困りごとを解決することこそに、価値があることを改めて自覚することができました。

これが、1つめの「ネギ総合技術支援力(ネギ栽培に関する知識が豊富であること)」という強みを明確化したことにつながります。

正直、これまでは漠然と“ネギづくりに関することが強み”と思っていましたが、自分たちが、競合他社に差を付けてできることが明確になりましたね。

そして、3つめのネギに関する人とモノと情報がつながる場の提供(講習会など人や情報が集まる“コミュニケーションの場”を持っていること)」については、その価値をきちんと意識できていなくて……。

店舗で、これまでもネギの栽培時期に応じて、ネギ栽培に関する講習会を数多く開いてきました。

 

競合他社には店舗のない卸売業の会社があります。しかし、当社は、「こいけや」という店舗を持ち、資材販売ではなく、情報を発信し、そしてコミュニケーションを取っている、その「場」を活かしていること自体に、競合にはない強みがあることも改めて認識できました。

その3つめの強みがあることを再認識してから、店舗でも、より有意義な取り組みを行えています。

 

 

想いの整理、強みの分析ときて、次は何をしましたか?

 

石原様:続いてはポジショニングの検証を行いました。

さきほどお伝えした3つの強みを軸にしながら、さまざまな観点から市場内での当社や競合他社のポジションを明らかにし、強く差別化できるポイントを見つけていく作業です。

この差別化ポイントを見出す際は、ターゲットにするお客様のニーズがあるかどうかということも重要だと指導をしてもらいました。

プロジェクトのメンバーで集まって必死に10パターン以上のポジショニングを考えました(笑)。

 

小池社長: 3人とも驚くほど本当に熱心に取り組んでいましたね。ミスターマーケティングさんが指導の際、彼らをうまく褒めて、毎回モチベーションを上げてくれたのもよかったと思いますが(笑)。

 

石原様:想いの整理と強みの分析、そしてポジショニングの検証を経て、自分たちだからできること、他に負けない差別化ポイントが明確になりました。

卸売業や小売業でもしっかりと差別化できる、そして唯一性を見いだすことができる、このポジショニングを整理したことで、自社の事業に対して、自信を深めることができたのは、とても良い経験です。

そうして、当社のネギ栽培に関する相談サービスの魅力を押し出すネーミングを考えました。

このネーミングを考える作業には、ポジショニングの作業もさることながら、正直慣れずに大変苦労したことをよく覚えています。

メンバー全員で何度も集まり、ディスカッションしたのは良い思い出です。そして、色々と考えコンサルティングの中で最終的に導き出したネーミングが「ネギ参謀」です。

 

当社は、埼玉県深谷市でネギ農家さんを中心に卸をしていたわけですが、もちろん当社は、ネギだけではない他の作物に関する資材やノウハウなども持っています。

しかし、思い切って「ネギ」に絞りました。これは、日本中のネギ農家を応援し、そして、「ネギ」なら「こいけや」と覚えてもらうためです。

強みであるネギ栽培に関する情報やノウハウの提供という観点から「コンサルティング」のようなイメージを持っていましたが、もっと横文字ではない、農家さんにもわかりやすい言葉を考えたところ、「参謀」という言葉を見つけることができました。

そして、「ネギ」と「参謀」を組み合わせた「ネギ参謀」というネーミングを導き出しました。

 

さらにこのネーミングを端的に説明するタグラインは「深谷で創業70年 ネギ栽培専門アドバイザー」としました。

最初「ネギ参謀」という響きを聞いた際に、「震えるくらいピンと来た」と当社の社長が言っていたのを記憶していますし、私自身もそういった感覚を覚えました。

これは、強みの分析とポジショニング検証など、差別化づくりの作業にしっかり時間をかけたからこそのアウトプットだと思っています。

 

事業のネーミングを考えた後は、パンフレットとホームページのリニューアル……当社ならではの魅力を発信。 

その後、具体的なアクションとしてホームページとパンフレットをリニューアルされていますよね。

 

石原様:はい、私がデザイン制作会社との窓口になってリニューアルを進めました。ブランディングデザインを担当してくださった方からは、「事業のターゲットや独自性など、“骨格”が明確だったので、表現するべきことをしっかりとツールに落とし込むことができました」と言ってもらえました。

ここでもコンサルティングの成果を実感しましたね。すべては、土台づくりにかかっている、と。おかげで出来上がりには大変満足しています。

 

《新たに制作した「ネギ参謀」のパンフレット》

 

 

横山様:パンフレットやホームページを目にした方々に、私たちの想いや強みがしっかり伝わるものになったと感じています。自社のサービスを説明するにあたって、パンフレットやウェブサイトが優秀な営業マンとして働いてくれているイメージです。

これらブランディングツールにあるメッセージが嘘になってしまうことがないよう、しっかり働かなければと身が引き締まりましたね。自分たちの気持ちを引っ張り上げるという意味でも、有意義な取り組みになりました。

 

《新たに立ち上げた「ネギ参謀」のウェブサイト》

 

 

会員様の数が倍増、遠方からの大口顧客も続々と生まれ、「ネギ参謀」だけで売上が前年比約5000万円アップ。過去最高売上の決算を迎え、大満足の結果に。

 

コンサルティングを経て、目に見える成果はありましたか?

 

小池社長:最もわかりやすい売上でいうと、前年比で5000万円近くアップしました。今期は会社全体で見ると8000万円ほどのアップで、過去最高売上で決算を迎えることができました。

その大部分をカテゴリーキラー事業として打ち立てた「ネギ参謀」が占めている形になりますね。粗利もしっかり上がっており、とてもいい形で成長しています。

その他の指標では、ネギ栽培を支援させていただいている会員様の数が、コンサルティング前は350名だったのに、わずか1年弱で2倍近い662名になりました。

また、当社が本拠地とする埼玉県・深谷市近辺のみならず、栃木や茨城、さらには北海道の夕張など、遠方からわざわざ栽培相談に来て下さる大口の顧客もできましたよ。

みなさん、ホームページを見て興味をもってくれたそうです。いずれも各地域で生産量トップクラスのネギ農家さんで、当社独自のノウハウをお伝えする講習会や、そこで生まれるネットワークに特に期待してくれているご様子です。

肥料などの資材なら各農家さんの地元でも買えますが、当社にしかない“それ以上”の部分を求めてくださっているのでしょう。

同業の農業資材・販売会社は全国に多数あります。しかし、当社のカテゴリーキラー「ネギ参謀」は、まさに私が求めていた、競合他社には真似できない領域で「差別化」が実現できています。

 

社内的には何か変化はありましたか?

 

小池社長:今回のコンサルティングに参加した3人の成長は成果のひとつですね。3人とも視野が大きく広がったと思います。

 

宍戸様:これまでよりも長期的な視点をもって事業戦略を考えるようになりました。今やっている仕事が、45年先の未来にどうつながるか、常に意識しながら働いています。

これは、しっかりと最初にカテゴリーキラー戦略を作り込んで、腹落ちしているからこそ、意識できることだと思います。

横山様:コンサルティングで再確認した想いや強み、ポジショニングという「軸」を意識するようになったことで、判断がしやすくなりましたね。

何か新しいアイデアが浮かんでも、「軸」に合っていないものであれば見送ります。

 

石原様:横山の言うとおり、自分たちがやるべきことが自然と見えるようになりました。そのひとつが、広く情報を提供できるYouTubeInstagramです。

YouTubeで発信した我々のネギ栽培の講習動画は、わずか2週間で2万回以上再生されたものもあって、予想以上の反響に驚いています。

 

小池社長:このように「ネギ参謀」のサービスから派生した新しい取り組みが生まれたことで、コロナ禍の今、横山と石原はリモートワークも上手く取り入れられるようになっています。

カテゴリーキラーづくりを通して新しい働き方のロールモデルが生まれ、働き方改革を進められたことも成果だと感じています。

 

 

現在も積極的に新たなアクションを起こされているようですが、今後の目標を教えてください。

 

石原様:現在は“当社⇔お客さん”とのつながりを構築していますが、今後はお客さん同士のネットワークが広がっていったらいいなと思っています。

もちろんお客様同士は競合ではあるので難しい部分もありますが、お互いに知恵や悩みを共有し支え合って、情報格差をなくし、ネギの市場をみんなで押し上げていくようなムーブメントが起きたらうれしいですよね。

当社がそのきっかけをつくっていきたいです。

 

 今では悩みよりも未来への期待のほうが大きい。あのとき勇気をもって一歩を踏み出してよかった。

 

これまでのコンサルティングを振り返って、ミスターマーケティングにメッセージをいただけますか?

 

小池社長:当社は創業から順調に売上を伸ばすも、あるところで“天井”を感じて悩んでいました。

ミスターマーケティングさんに出会ったのは、そんなタイミングです。

そこからコンサルティングが始まり、視野がどんどん広がっていきました。最初は地元である深谷の明らかに衰退傾向にある農業を何とかしたいと思っていたけれど、今では関東全域、さらには全国の農業の未来を見据えています。

しかも、そんなふうに変わったのは決して私だけじゃない。営業のメンバーからも「埼玉県内ナンバーワンの営業になる」「ネギ栽培のサポートで当社が全国一になり、深谷市をネギのメッカにしたい」「大手種苗メーカーの方から農家さんに対して、“ネギで困ったら、こいけやさんへ聞いてください”と言わせたい」など、強い意志を感じられるようになりました。一人ひとりがプライドをもって働けるようになったと思います。

経営者ですから、やはり悩みは尽きません。でも、今は昔と違って、悩みよりもこれからの発展への期待のほうが大きいですね。

そんな前向きな気持ちになれたのは、ミスターマーケティングさんのおかげです。出会いに、そして、結果を出す確かなサービスに感謝しています。

 

 

最後に、読者である中小企業の経営者のみなさんへ一言お願いします。

 

小池社長:経営者には、良いときばかりでなく、苦しいときに投資するのは、勇気が必要ですよね。  

大きな投資をしても、いつリターンが戻ってくるのか、そもそもリターンなんてあるのかわからない。

今回、ミスターマーケティングさんにコンサルティングを依頼したときも、  

ホームページやパンフレットをリニューアルしたときも、勇気がいりました。

不安やリターンを焦る気持ちがなかったといえば嘘になります。

でも、今みなさんにいえるのは、あのとき一歩を踏み出して本当によかったということ。コンサルティング開始から1年で、まず目に見えるリターンがありましたし、自身や社員の変化など、数字以上の成果も実感できています。

かつての私のように悩まれている方がいらっしゃれば、ぜひ一歩を踏み出す勇気を振り絞ってほしいですね。