カテゴリーキラーで苦境の経営をV字回復させ、その後も売上・利益が伸び続け、過去最高額を更新しています!(価格競争を抜け出す経営を実現) ー 農業資材・卸売業の差別化戦略 ー
株式会社小池勝次郎商店
代表取締役社長 : 小池 博 様
取締役: 宍戸 建太 様
営業部長: 小池 智 様
ネット責任者: 石原 雅代 様
わずか2年半で、売上は3割アップ、利益は3倍となり過去最高に
カテゴリーキラーの創出により、苦境だった経営をV字回復させた内容を伺った前回のインタビュー(2021年10月)から2年半が経過しました。さらに、その後の事業にはどのような変化がありましたか?
※前回のインタビューは当社HPにて公開中です
小池社長: 前回のインタビュー時、当社の売上は、9億円でした。それが今は、差別化を実現させた結果、売上が11.5億円となり、2年半ほどで、約3割アップしています。そのアップした分のほとんどは、ミスターマーケティングさんと一緒につくりあげた、カテゴリーキラーの「ネギ参謀」に関連した売上です。
また、売上以上に、利益が伸びておりまして、前回インタビューの時と比較して、経常利益は、約3倍の3000万円の大台を超えて、過去最高を記録しています。
※カテゴリーキラーとは、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業のこと
ミスターマーケティングさんは、「カテゴリーキラーとは、言い換えると競合他社と差別化された看板商品であり、その看板商品を持ち、育てていくことが、中小企業の経営に欠かせない」と指導されていますよね。
まさに、「ネギ参謀」は、ここ数年で当社の売上・利益をけん引する看板商品に成長したと感じています。
大口の農業法人が増えて、発注金額が増大、ネギ栽培のファーストコールカンパニーに。商圏は、地元を超えて全国47都道府県に広がり、価格競争から抜け出す経営を実現
お客様にも変化があったと伺っています。
小池社長:そうですね、お客様の内訳にも変化があって、大きな農家さんや農業法人とのお付き合いが増えました。農業法人は、著名な大手メーカーの子会社や、大手流通の子会社から声がかかる機会も増えました。
これは、新規事業として農業をはじめる法人が増えている背景があります。そして、ありがたいことに、ネギ栽培に関しては、当社に一番に声をかけていただく流れができつつあると感じています。
これに伴い、今までにないような、発注金額が大きい取引も増加しています。また、これからの農業を担う若い農家さんとのご縁にも恵まれています。
そして、うれしいことに、当社のサポートで、小さかった農家さんから、大きな法人へと成長された農家さんも出てきました。
まさに、「ネギ参謀」としてお役に立てたわけですが、農家さんの売上の貢献と同時に、当社との取引量も増えています。
石原様:特に大きな成長が見られたのは、オンラインショップです。
売上は右肩上がりで、今期はスタートしてまだ半年の段階ですが、新規のお客様がどんどん広がっていて、すでに前年比200%増を記録しました。
宍戸様:ご注文いただくお客様が、全国に広がっています。ネギ参謀が始まった当初は、自社のある埼玉県深谷市を中心としたお客様が多く、遠方のお客様は極わずかだったのですが、それから約5年を経て、つい先日47都道府県すべてに顧客ができました。
ここ数年で、お客様の数は、全国で2,000件を超えました。顧客の分布は地図上にピンを立てて管理しているのですが、全国制覇を達成したときは感慨深かったですね。当然のことですが、顧客の増加とともに、どんどん売上が上がっているのを実感しています。徹底した差別化戦略の成果です。
小池 智様:ネギ苗の取引規模も、2年半で倍以上に拡大しました。現在は苗の栽培場所などの問題を抱えていまして、お客様の需要に、私どもの供給が追いついていない状況です。
それさえ解決できれば5倍程度には膨らむと考えています。今は着々と栽培場所の準備をしていますので、まだまだ伸びるという確信があります。
小池社長:カテゴリーキラーとしての「ネギ参謀」ができる数年前は、地元の狭いエリアで、価格競争で疲弊していました。あの頃と比較すると、明確な差別化ができたおかげで、お客様が全国に広がって、しっかりと利益を出せる事業に転換できた喜びは大きいですね。
売上・利益や、お客様のこと以外では、審査がトップレベルに厳しいことで知られる「東京中小企業投資育成株式会社」からの投資を受けられたこともうれしかったです。
単に売上が増えただけでなく、財務体質がよくなった点を評価していただいたのだと思います。この財務体質の変化は、カテゴリーキラーの「ネギ参謀」を打ち出してからのことです。お蔭さまで、会社としての対外的な信用も高めることができました。
尖ったサービスを確立したことでパートナーとの出会いに恵まれ、可能性が広がった
わずか2年半の間に大きく成長したんですね。その理由はどこにあるのでしょうか?
小池社長: カテゴリーキラーの「ネギ参謀」がきっかけになって、有望な販路をいくつか獲得できたのは、大きかったと思います。
中でも農業の世界では、知らない人はいないぐらい有名なN社と出会えたのは大きいですね。N社の代表は、SNSなどによる情報発信を積極的に行ったり、書籍も出版されたりしていて、業界ではとても有名な方なんですよ。
そのN社が、自身でつくっている肥料などの人気商品の販路に当社を選んでくれたこともあり売上増加につながりました。
当初N社は、販路として、大手の種苗会社にあたりを付けていたそうです。しかし、我々の事業に対する想いや、会社が目指す未来象に共感していただき、大手の種苗会社ではなく、「ネギ参謀」を展開している当社を選んでくれました。
単にインパクト狙いのネーミングで「ネギ参謀」と言っているだけでは、N社のように、本気で事業を展開している方に出会うことはできなかったと思います。
やはり、ミスターマーケティングさんがいつも言っている「想い」が大切で、それが商品・サービスを通じて、相手に伝わるのだと実感しています。単に商売の相手というよりは、心から頼れる仲間が増えていく感じです。
石原様: ミスターマーケティングさんのコンサルティングを受けてから、「ネギ参謀」の情報発信をはじめました。前回のインタビューでもお伝えした通り、YouTubeは、スタートした直後に、わずか2週間で2万回以上再生されて、反響の大きさに大変驚きました。その後も情報発信を欠かさないよう、いろいろと試行錯誤しながら継続しています。
今回は、ご縁があったN社の取り組みも参考にして、InstagramやYouTubeによる情報発信をさらに強化しました。
YouTube動画は基本的に毎週投稿しており、「ネギ栽培」というニッチなジャンルでありながら、現在の登録者は5000人を超え、13万回以上再生されている動画もあります。
また、InstagramにDMが届けば、社長自ら丁寧に返信することもあります。若い世代の農家さんたちにアプローチできているのは、このような取り組みの効果が大きいと考えています。
社長自らが率先して、当社の想いを個別に届けていくことは、現場の私たちも励みになっています。
小池 智様: それから、今までは競合でもあった農協さんとの取引を開始したことも良きパートナーとの出会いといえると思います。
ここ数ヶ月だけでも東京の農協から4回ほど見学の依頼があり、観光バスでぞろぞろとお越しいただきました(笑)。
宍戸様: 北海道は函館の農協のネギ部会からオファーをいただき、出張して講演も行っています。まさか、これまで競合だった農協さんから、講演の依頼をいただくことになるとは思ってもみなかったです。
その際はもちろん「ネギ参謀」として登壇したのですが、遠く北海道の地でも「ネギ参謀」をすでにご存じの農家さんがいらっしゃったのには驚きました。
これからさらにネットワークが広がり、一緒にさまざまな取り組みができることを期待しています。
《北海道での「ネギ参謀」講演風景》
カテゴリーキラーの「ネギ参謀」を確立させたことで、世間からの注目度が格段にアップしたということでしょうか?
小池社長: まさにそうだと思いますね。先ほども申しましたが、N社さんも、農協さんもしかりですが、当社の取り組みを知るきっかけは、カテゴリーキラーの「ネギ参謀」にまず興味を持たれたことだと思います。
もちろん、その中身が伴っていなければ、仕事の付き合いには進みません。インパクトのある「ネギ参謀」というネーミングに負けない、当社の想いや、これまで培ってきた圧倒的な強みをしっかりと伝え、農家の皆様のお役に立てる唯一無二の事業であることを示していくことが大切だと思います。
これこそが、ミスターマーケティングさんでご指導いただいてつくりあげた差別化戦略ですが、この差別化戦略を土台にして、実践で落とし込んでいく努力を継続しています。
最近は、「ネギ参謀」を入口にして、農家さんなどから、ネギ以外の野菜についての相談をいただくことも多くなってきました。
これは、ミスターマーケティングさんのご指導通り、「対象を絞って尖らせることで、逆に可能性を広げることができる」ということだと思います。
日本の、そして世界のネギ市場を盛り上げたい。社長も社員も次なる夢を描いて邁進中
「ネギ参謀」の大成功を経て、小池社長は新たなチャレンジをされていると伺いました。
小池社長: 数年前から中小企業診断士の資格取得を目指して目下勉強中なのと、今年の春からMBAの取得のために法政大学の大学院生になりました。
ここ数年で、「ネギ参謀」をきっかけにして、事業が成長し、頼もしい社員たちが育ってきたことで、「社長の席を譲った後」のことに思いを巡らせるようになったんです。そのとき自分に何ができるか、何をしたいかと考えた結果、「農家の方々を経営面から支えたい」という答えにたどり着きました。経営計画書をつくるなど、コンサルティング的なサポートをしたいなと。
農家さんの中には、経営に関する指導を必要としている方々がたくさんいます。しかし、経営のことも農業のことも深く理解してサービスを提供できる人はなかなかいません。
そこで、自分が経営を勉強し、そのポジションを確立できたらと考えています。
当社が掲げる「農家を元気に、豊かに」という目標に、この後の人生では別の立場から取り組んでみようと思ってチャレンジを決めました。
会社としては、今後どんなことにチャレンジされるのでしょうか?
石原様: すでに全国で2000を超える農家さんとのお付き合いがありますが、私たちはさらにたくさんの方々を支えていきたいと考えています。
遠方の農家さんたちにももっと頼っていただけるように、YouTubeやSNSによる情報発信、イベントの開催などにこれからも取り組んでいくつもりです。
宍戸様: 私は、会社を「商社化」するようなことができればと考えています。
種まきから食べるところまで、生産と消費のすべての過程に携われるようになりたいですね。
また、OEM事業を展開し、今は競合にあたる会社とも手を取り合っていけたらいいなと思っています。今は競合でも、ある農家さんにとってはなくなってはならない会社だったりもしますので、全国にいるたくさんの農家さんたちに貢献するためなら、必ずしも当社の名前で商品やサービスを展開しなくてもいいと考えています。
海外への輸出を含め、日本でネギに携わる方々みんなで協力して市場を盛り上げていきたいです。
個人的には、当社の事業活動を通じて、身体的な障害をもった方でも社会に関われるような、そんな労働環境を創造していきたいと常々考えています。
小池社長: 宍戸の構想にある商社化をはじめ、ネギ農家さんにさらに貢献できるような事業を実現するにあたって、目下の目標となるのが出荷所と調整所をつくることです。
ネギ栽培において特に難しいポイントは、苗をつくることと、袋詰めやパッキングなどの出荷に関わることです。
そこを担う工場をつくり、安定的な運営ができるようになれば、夢の実現に大きく近づくでしょう。そして、それが実現すれば、そこに新しく雇用が生まれます。
また、遠方を含めた全国のネギ農家さんを支えるには、「ネギ参謀のインストラクター制度」を設けるのがいいのではないかと考えています。
当社の社員が講習や実地指導を行い、「ネギ農家さんを助けられる人」を増やす。近い将来、形にしたいですね。
「ネギ参謀」が生まれて、差別化戦略がカタチになり、それがしっかりと軌道に乗ったおかげで、私も、従業員も、互いに夢を語り、それを実現するための具体的な一歩を踏み出すことができています。
経営が苦しかった数年前に、思い切ってミスターマーケティングさんに指導をお願いして、本当に良かったです。あの時は、コンサルティングで出される課題をこなすことで精いっぱいでしたが、みんなで一生懸命に考えてつくりこんだ戦略だからこそ、スタッフそれぞれが腹に落とすことができていると思います。
当時、なんとか事業の差別化を見出そうと挑戦した結果、素晴らしい戦略方針書が完成して、社内発表を終えたときは、本当に感慨深いものがありましたね。
さらに、その後、ブランディングツールづくりの指導も受けて、パンフレットとホームページが完成したときは、描いた差別化戦略が、目に見えるカタチになって、本当に強い武器ができたと思いました。
よし、ここから皆で苦境を脱して、事業を盛り返していくぞと、心の底から勇気が湧いてきたことを今でも覚えています。
そして、数年が経過した現在は、私が現場を離れても、幹部スタッフを中心に、どんどんアイデアを出して、事業を前に進めることができています。大きな決断が必要なときには、当初の戦略方針に立ち返って考えることが自然にできるようになっています。
今思えば、あのコンサルティングは、実践で使える差別化戦略を作り込むと同時に、幹部スタッフの育成にも大きく貢献していると実感します。本当にありがたいことです。
現状を変えるには、ひとりで抱え込まないこと。一日も早く一歩を踏み出してほしい
最後に、読者の中小企業経営者のみなさんへメッセージをお願いします。
小池社長:経営に関する悩みは尽きないことと思いますが、どうかひとりで抱え込まないようにしてください。
まずは身近にいる頼れる方々へ打ち明けてみる。そうすると考えの整理もできますし、気分も多少軽くなるかもしれませんから。
そして、その悩みを解決するには、ミスターマーケティングさんのような、専門家に相談することを強くおすすめします。自社の状況を客観的に見てもらい、課題の打開策を一緒に考えてもらう。そうすれば、ひとりでは見つけられなかった可能性にきっと気づけるはずです。
そして、専門家を頼る決断はできるだけ早めにした方がいいです。経営が本格的に苦しくなって、資金繰りのことばかり考えるようになってしまったら、未来を描いたり、そのための課題に取り組んだりなんてとてもできませんから。自分がその経験をしていますから絶対です。
さらに大事なことは、やっぱり魂のこもった事業を行うことです。お金だけが目的では続きません。私自身が、過去、新規事業がうまくいかず、既存事業の資金を食ってしまい、資金繰りに苦労した、苦い経験がありますので・・・。
余談ですが、当時、ある社員が、その奥様から「基本給も上がらず、ボーナスも払えないような会社は辞めたほうがいい」と言われたと、その社員から聞いたときには、とてもショックを受けました。
ですから、当社のような中小企業の経営者には、「想い」があり、そして会社の「強み」が活きる領域に集中して、戦略的に取り組んでほしいと思います。
みなさんが、夢の実現に向けて一歩を踏み出されることを願っています。
追伸:お客様の特別な許可を得まして、インタビュー当日の動画(約6分)をご用意しました。以下よりご覧いただけます。