年間販売目標の3倍を上回るペースで 受注が伸びています!・・・カテゴリーキラーをきっかけに、当社の全商品の在庫が完売し、 注文は3カ月待ちの状態が続いています。(グッドデザイン賞・金賞受賞!年商は2.5倍、10億円超に!) ー斜陽産業におけるカテゴリーキラー商品の開発-
株式会社アックスヤマザキ
代表取締役: 山﨑 一史 様
セミナーの帰り道に感じた「想いを叶えられる」という確信が、成功のスタートラインだった。
ミスターマーケティングに依頼するに至った経緯を教えてください。
山﨑社長:当社は創業74年目を迎えたミシン専門メーカーで、私は3代目の社長です。
幼い頃からミシンが常に身近にある環境で育ち、またミシンの需要が高い時代を生きてきました。
しかし、2000年前後になると、ミシン業界に陰りが見え始めるようになりました……。
嫁入り道具にはミシン、裁縫が女性にとって必須スキルだった時代が終わり、手作りせずとも安い既成品が出回るようになったことなどが理由です。
そんな業界に暗雲が立ち込めるようになった頃、私は別の会社に勤めていましたが、 先代社長である父親から「会社に戻ってきてくれ」と言われました。
これまで弱音を一切吐かなかった父親からの頼みでした。私は父親の元に戻り、2015年には世代交代して社長に就任しました。
とはいえ、私が戻ったからといって状況が劇的によくなることはありません。
私は何とか現状を打破すべくもがき、毎日のように経営やマーケティングの書籍を読み漁りました。
そのなかで出会ったのが、ミスターマーケティングさんの書籍「儲かる10億円ヒット商品をつくる!カテゴリーキラー戦略 」だったのです。
これまで数多くの書籍を読みましたが、これほどに衝撃を受け、著者に会いたいと感じたのは初めての経験でしたね。
“中堅・中小企業に特化し、市場で負けない、圧倒的に強い商品・サービスづくり”の実現に特化したサポートを行っていることを知り「きっと当社の悩みを解決してくれる」と思ったのです。
その後、さっそく経営者向けの「カテゴリーキラー戦略」セミナーに参加しました。
セミナーでは、市場で突き抜けられる商品、すなわち“カテゴリーキラーになる商品”を生み出し、育てることのメリットをより深く理解でき、当社もミスターマーケティングさんに指導をお願いしようと即決しました。
セミナーを受けた後、まだ動き始めてもいないのになんとかなる気がしたのをはっきり覚えています。
会うべき人に巡り会ったのだなと。セミナー終了後、その場でコンサルタントのお二人に、「ミスターマーケティングさんの成功事例で紹介される会社になります。」と宣言したくらいですから(笑)。
セミナーからの帰り道は、自分の想いを叶えられるという期待に胸が躍り、自然とニコニコしながら歩いていました。
山崎社長の“想い”とはどんなものですか?
山﨑社長:“かつてのように、一家に一台ミシンがある状態を取り戻すこと”です。ミシンの文化を、手づくりの温かさを、広く長く受け継いでいきたいと考えています。
その想いを叶えるためには、斜陽産業である私たちに染みついてしまった“負け癖”をなんとかしなくてはなりません。
近年は、ミシンの売上の落ち込みに歯止めがきかず、当社を含めミシン業界全体に負け癖がついてしまっています……。
これを吹き飛ばすきっかけになる商品を、当社が業界を代表して絶対に開発しなければと思っていました。
固定観念を捨て、会社の根本やターゲットのニーズを徹底的に見つめ直して新商品を生み出す。
ミスターマーケティングのコンサルティングはどのように始まりましたか?
山﨑社長:安易に商品コンセプトや小手先の売り方を考えるのではなく会社の根本を見つめ直すことからスタートしました。
自分たちは何がしたいのか、何ができるのか、これからどうなりたいのかなど、会社の存在意義や未来に向かって進むべき方向を徹底的に掘り下げ、整理して形にすることにまずは取り組みました。
こう聞くと、「ありきたりな指導だな」と思われる方もいるかもしれませんね。
しかし、ミスターマーケティングさんの指導内容に無駄はなく、どれも結果を出すために必要な過程だったと今ははっきり感じます。
おかげで“なんとなく”ではない、ブレない基礎ができました。
そして指導を受けるなかでたどり着いた目標が、“ミシンの今後の可能性を追求し、次の柱になるヒット商品をつくりだす”というものです。
ただ単に商品を作って売るのではなく、ミシンの可能性を模索すること。当社、そして業界全体の成長のきっかけになる商品を生み出すこと。頭の中にあった漠然とした考えがこのとき鮮やかに形になりました。
そしてその目標を、社の全体朝礼で発表したのです。「この目標を実現できなければ、自分を経営者失格だと評価してくれて構いません」とも伝えましたね。
この発言は覚悟を持って、相当思い切りましたが、これを聞いた社員さんたちの顔つきが変わったのを、今でもはっきり覚えています。
明確な目標ができ、みんなどこか嬉しそうで、しばらくして明らかに社内の雰囲気が変わったのです。
思えば、あの日が本当のスタートだったのかもしれません。
目標が明確になってからは、具体的にどんなアクションをとりましたか?
山﨑社長:新商品開発を進めました。しかしすぐに設計やデザインに入るのではなく、ミスターマーケティングさんの戦略指導に従いひとつひとつ丁寧に進めていきました。
まずは、商品の前に業界の中でお役にたてる事業ポジショニングの確立を進めました。
そのうえで、今回の商品のターゲットを明確に設定しました。
ミシンと言えば、幅広い世代の女性向けといったイメージが従来あったところを、今回は、子育て世代の若いママ達にしたのです。
そして、そのターゲット層に徹底的なヒアリングを行いました。
自分や家族の周りにいる子育て真最中のママさんたちを中心に意見を収集しました。 私の妻とも初めてミシンの話をじっくりしましたね(笑)。
そうやって、絞られたターゲットのニーズを改めて把握し、集まった意見を順位づけしていくと、みなさんが “簡単に使えること”を圧倒的に求めていることが見えてきたのです。
手軽さが求められていることはわかっているつもりでしたが、それが何よりも優先すべき条件ということを改めて認識し、ミスターマーケティングさんのアドバイスを受けながら、その点を徹底的に追求する戦略決定をしました。
では、一体どうやったらみんなが手軽にミシンを使えるのか…それをずっと考えていたある日、ふとスマホでレシピ動画を見ながら料理をつくる妻の姿が目に留まったのです。
「そうか!ならばスマホでレクチャー動画を見ながら使えるミシンがあれば、どんな初心者でもトライできるのでは!?」と思い至ったのです。
これは、最も重視すべきポイントが明確になっていたからこそのひらめきだと思います。
私を含めてですが、経営者は商品やユーザーについて“十分知っている”と思い込みがちですが、その固定観念を取り払って、ゼロに戻って見つめ直すことができなければ得られない発見はきっとあります。
ただ、それは独力でやるのはなかなか難しいものです。ですからそんなとき、第三者からの指導やアドバイスを受けるというのは非常に効果的だと思います。
そうやってスマホで簡単に使えるミシンを開発しつつ、いよいよ商品のネーミングをしました。
私たちとミスターマーケティングさんとでアイディアを出し合い、さまざまなアドバイスをもらいながら生まれたのが『子育てにちょうどいいミシン』でした。
腑に落ちるというか、「これだ!」と確信できる名前をつけられて、みんなで喜びましたよ。
そんないいネーミングができたのも、やはりこれまでの土台づくり、戦略の基礎から始まった積み重ねがあったからこそです。
小手先だけでネーミングに挑んでも、ターゲットの心理に突き刺さるような、真にいいアイディアは出てこないということを実感できました。
〈完成したロゴマークとタグライン〉
高く設定した目標販売数の3倍以上の反響。メディアにも注目され、自社だけでなく業界全体を動かす快進撃。
コンサルティングを積み重ねて誕生した『子育てにちょうどいいミシン』。発売後の反響はいかがでしたか?
山﨑社長:『子育てにちょうどいいミシン』の名前からもわかるように、当初は入園・入学時期の販売に向けて準備を進めていました。
しかし、コロナウイルスの影響を受けてしまい、狙った時期に販売をスタートできなかったのです。
正直なところ心が折れそうなときもありましたが、「業界に光を当てられるよう、なんとしてもこの取り組みを成功させるんだ。」という強い想いを毎回のコンサルティングの中で鼓舞できて、前に進み続けられました。
そうしてPRのためInstagramのアカウントを作成し、『子育てにちょうどいいミシン』を紹介したところ、なんと2週間ほどでフォロワー数が1万人を超えたのです。
コメント欄には「こんなミシンがほしかった!」という声を多くいただいて、注文数はどんどん増加していきました。
その時やっと、ターゲットのニーズに応える商品をつくれたのだという手応えを感じました。
〈『子育てにちょうどいいミシン』商品サイト〉
そんななか、コロナウイルスの流行拡大で、日本でもマスクが品薄になる事態になりました。これに伴い、マスクを手作りしたいという予期せぬ需要も加わって、注文数はさらに伸びます。
『子育てにちょうどいいミシン』は、初心者でも簡単に使えることを追求してつくったので、マスク不足はひとつのきっかけとして、ここで重要なことは、多くの方に「このミシンなら私でもできる」と思っていただけたことなのだと思います。
あっという間に初回生産分は完売し、以降も完売を繰り返して、現在は注文後3ヶ月待ちの状態が続いています。
楽天家電ランキングで1位、リアルタイムでは総合ランキング1位も獲得しました。
注文数は年間目標の3倍以上のペースで受注が伸びています。
その目標も「頑張ってこれだけ売りたい!」と設定したとても高いものだったので、 その3倍にもなると完全に人手が足りず、うれしい悲鳴をあげている状態ですね。
なんでも『子育てにちょうどいいミシン』以外の商品も完売続きだとか……。
山﨑社長:はい。『子育てにちょうどいいミシン』が爆発的に売れたのをきっかけに、当社の他のシリーズを含めた全商品の売上が伸びました。
今は全機種が完売で、売るミシンがない状態です(笑)。
カテゴリーキラーとなる商品を生み出せたことで、アックスヤマザキのブランド力がぐっと上がったと実感しています。
また、『子育てにちょうどいいミシン』を紹介する記事がヤフーニュースのトップに掲載された直後には、大手ミシンメーカーの株価がストップ高になっていました。
さらに、全国のミシン販売店から「アックスヤマザキさんがメディアにたくさん出てくれているおかげで、うちにも問い合わせがたくさんくる。店の売上が伸びている。ありがとう。」という連絡を多数いただいて……業界全体にいい影響を与えられるまでになって、とても嬉しいですね。
ヤフーニュースのトップ記事になった以外にも、新聞やテレビなどさまざまなメディアの注目を集めたそうですね。
山﨑社長:ヤフーニュースのトップに“「子育てにちょうどいいミシン」が売れている”、と掲載されたのをきっかけにメディアの取材依頼が増え、新聞やテレビなど媒体を問わず、毎日のように取材依頼がくるようになりました。
5大新聞すべてから取材され、しかも毎日新聞と産経新聞は一面に記事が掲載されました。テレビも、NHKの「ニュースウォッチ9」やテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」、TBSの「Nスタ」をはじめさまざまな番組に取り上げられました。
こうやってメディアに注目してもらえたことは、率直にうれしいです。かつて朝礼で社員さんたちに宣言した目標を形にできつつあるという安心感もあります。
でも、これはあくまで通過点です。“ミシンを一家に一台”という想いを叶えるまで、私たちのチャレンジは終わりません。
実際に、現在もミスターマーケティングさんと一緒に次の新商品を企画しています。『子育てにちょうどいいミシン』の成功が、次なる新商品をヒットさせる基盤になってくれるはずですから、今からワクワクしています。
今回の成功を受けて、社員の方々や先代社長からの反応はいかがでしたか?
山﨑社長:先ほどお話ししたとおり、現在は非常に忙しくて人手が足りず、社員さんたちはみんな休み返上で働いてくれています。
疲れているでしょうに、でもその顔はとてもイキイキしているように見えます。自分の仕事が評価されることの喜びを実感して、モチベーションがぐっと向上したのだと思います。
実はこうして多数のメディアから注目を浴びる前、私は社員さんたちに「自分は今年、人生一番の勝負に出る。みんなも今年、私と一緒に人生一番の思い出をつくってほしい。」と話したのです。
きっと、その呼びかけに応えてくれているのかなと。
先日ある社員さんからは「社長についてきてよかった。」と言ってもらえて、グッときてしまいましたね。
それから先代社長の父親も喜んでくれていますよ。父親はとても厳しい人で、今まで一度も褒められたことはなかったのです。でも、今回初めて「よくやった」と短いメールが1通きました(笑)。
業界も会社も傾いていた当時、私は父親がどんどんやつれていく様子を見てきました。でも今は、よく笑顔を見せて、穏やかに暮らしています。
事業継承後、3代目社長としての第一歩を踏み出せた気がします。
我が社の強力な“戦略指導者”として、これからもずっとパートナーであってほしい。
最後に、ミスターマーケティングへの評価と今後期待することを教えてください。
山﨑社長:ミスターマーケティングさんには、本当に感謝しかありません。
『子育てにちょうどいいミシン』大ヒットの初めの一歩は、あの日あの時あの場所で「やれる」と私に思わせてくれたことです。
そして今日のヒットまであきらめずにこられた一番の理由は、カテゴリーキラーづくりの戦略指導を通して、目指せる明るい未来を見せてもらい、私を心の底からワクワクさせてくれたからです。
今回の成功は、ミスターマーケティングさんがいてくれたからこその結果だと思っています。
ミスターマーケティングさんにはこれからも、ずっとパートナーとして力を貸してほしいです。
大手企業には、企画やマーケティングの専門部署があるものですよね。しかし、中小企業でそれを実現するのはなかなか難しい。
当社はミスターマーケティングさんと出会ったことで、会社が進むべき方向が明確になり、企画開発などを行う上での 戦略的思考が備わったと感じています。
ぜひこれからも、私たちの想いを実現させるための指導を続けてもらいたいと願っています。
※本プロジェクトのカテゴリーキラー「子育てにちょうどいいミシン」は、このインタビューの後、2020年グッドデザイン賞にて金賞を受賞致しました。また、発売から約10カ月で、年商は2.5倍に拡大しました。