創業の「想い」と「戦略」
先日、東京都信用保証協会様にて、創業者向けにマーケティングセミナーを開催しました。
ここ数年、毎年ご依頼頂いているセミナーですが、昨年と比較すると参加者がぐっと増えてきた感があります。最近起業する方が増えてきたという新聞記事を読んだばかりですが、それを実感するセミナーでした。
セミナーでは、私どものマーケティング大学を活用して、マーケティングプランニングの立案を行い順調に成果を上げている優良事例などをお伝えさせて頂きました。マーケティング大学は、創業者もよく参加されるので、そのような事例は参考になる点が多かったのではないかと思います。
マーケティングをまったく知らず創業する方も多いと思いますが、創業時にしっかり基本を学びスタートされる方と、そうでない方では創業後に大きな差が出てくると思います。
全てがうまくいく事などないと思いますが、基本があって調整したり応用したりすることが可能になります。ビジネスをするのであれば、マーケティングの学びと実践が不可欠です。
そして、忘れてはならないものが「想い」です。マーケティングの前に、強い創業の「想い」が大切です。創業時は、それが全てといってもよいくらいです。どうすべきかという「戦略」は、どうなりたいかという「想い」が選択の拠り所になります。
どんな価値観で事業をやるのかとういう理念が明確でなければ、集めるべき仲間は見えません。人材確保や体制維持、社風づくりなどに苦労します。社風が乱れると、仕事どころではなくなります。
どんな未来を目指しているかというビジョンがわからなければ、組織の「戦略」に何が最適かという発想も浮かばなければ、選択もできません。
これらは、創業者が決めるべき「想い」です。そして、それに共感するのが仲間。つまりカンパニーです。
上場を目前に役員同士が価値観があわないといって分裂し、上場できなかった例もあります。戦略の前に人。人の前に創業者の「想い」なのです。
あなたが、目指す夢や理想は、すぐに実現できないかもしれません。創業期は、ここにもどかしさを感じるものです。しかし、あなたが選ぶべき「戦略」は、その夢に向かっての一歩となる必要があるのです。
小規模で創業するのであれば、事業の速度調整は自分次第。つまり時間を味方にできます。時間を味方にすれば、目先ですぐに実現できなくとも、長期スパンで戦略がたてられます。
事業ですから、当然提供する商品やサービスを顧客に届け、利益を生み出していかなければなりません。そこに、現市場との調整機能として、マーケティングが必要になるのです。そして、その商品やサービスは、あなたの想いを具現化する手段であり、ミッションそのものである事が理想です。
もし、創業者が熱い「想い」をもっているならば、直ちにマーケティングを学んでほしいと思います。そして、是非ともその想いを成就させて頂き、社会に貢献できる企業が一社でも多く誕生してほしいと思います。それが、日本経済の活性化につながります。
セミナー参加者の皆様におかれましては、短い時間でしたが、お伝えさせて頂いたことが少しでも気付きにつながり、行動に結びつけて頂くことができましたら幸いです。