経済成長と、武士道?
私どもは、できるだけジャンルを問わず興味を引かれたセミナーへは積極的に参加をするようにしています。そして先日、あるセミナーに参加して参りました。
その名も『武士道セミナー』です。
本日は、そこで学んだことをもとに、経済に照らし合わせたお話をしたいと思います。
さて、人間社会の進歩は如何にして成されるか?
競争? 対立? しのぎ合い?
これらは確かに進歩が早まります。スピードが高まります。企業もこれをよしとして、勧奨している会社も少なくありません。が、しかし・・・・・、同時に、対立・競争をしている者の間には不和が生じることが常ですよね。
武士道の教えでの、進歩への道筋は真逆です。
「互助・協力」の精神を持ち、全体の平和をもたらすことの大切さを説いています。そして、その互助・協力の精神が人間の進歩に貢献をしていくとの考えです。
武士と言えば、戦国武将を想起するように、常日頃戦に明け暮れているようなイメージですが、実は、武士道の本質は、互いに助け合い和を尊重する、本来の日本人的な考えが基になっているのです。
しかしながら現在の日本は、米国流競争社会の風潮が幅を利かせ、組織論や経済発展に囚われてしまっています。米国流の考え方が悪いと言う訳では全くありません。しかし、歴史の浅い米国流のやり方に対して、2000年以上の歴史がある日本のDNAが「何か違う」と感じているのではないでしょうか。
皆さんはいかがですか?
では何が違うのか?と言われると、即答できないかもしれませんが、それは、時代の変化に合わせて、我々日本人の社会を形成している様々なものの必要性が変わってきているのではないでしょうか。
20世紀の日本は、戦争や急激な経済発展で大きな犠牲を払ってきました。
国として経済環境としての進歩は早まったと言えます。しかし、競争や対立は行き過ぎると全体に不和が生じてきます。
だからこそ、今の日本にとっては、武士道の精神である互助・協力に立ち返り、社会にバランスを取り戻す必要があるのではないでしょうか。既にそれに気付き始めている経営者の方々の中には、旧来の日本的経営を見直し、米国流の競争社会的考えとのバランスを取ろうとしています。
20世紀初頭の日本人は、生きのびることに必死でした。
戦後は、経済的に豊かになることに夢中でした。
では今、そしてこれからは何を大切に、どこに向かうべきでしょうか。
経済界だけではなく、自然界すら、我々に何か大切なものを気付かせようとしているような気がしてなりません。