企業の価値観と、“先行者利益”
皆さんは日経流通新聞(日経MJ)をお読みになっていらっしゃいますか?
ご存じの通り、週3回発刊のマーケティングに特化した専門紙です。私共の顧問先には、当紙の購読を強くお薦めしております。当紙には、ビジネス、マーケティングのヒントが満載で、各業界のバイヤーが必ずチェックをすると言われるコーナーもあることから、情報収集にはとっておきのアイテムです。
さて、少し前の話になりますが、その日経流通新聞にサイバーエージェントの藤田社長の記事が掲載をされていました。『ネットは最速か、最高か。』『誰もやっていなかったサービスを最初に世に出すこと。使い勝手や品質を徹底的に拘り、
先行した利益を最大化すること。』と、藤田社長のビジネスでの核が紹介された後、記者の質問、「ネット広告業から、
Eコマースへの移行をしないのか?」に対して、「価値観の違うビジネスはしない。」と、キッパリと答えて
いらっしゃいました。
面白い広告や広告枠を作って、これを例えば100万円で売ることと、原価や販管費などで利幅が薄いEコマースとは、
考え方や価値観が大きく違うということです。取引先も全く変わってしまいます。
つまり、『自分は何屋さんなのか、自分のミッションは何なのか』が、明確に保たれていると言うことです。
皆様ご存じであるように、サイバーエージェントは、早期に市場内での独自のポジションを見出してきています。
そして、継続して顧客に喜んでもらうことで、サービスの質が高まり強い差別化が図れています。
しかしながら、新しい市場を開くにはそれなりの体力と気力が必要ですし、何よりリスクが伴います。
時として市場が歓迎してくれない場合もあります。
ここを切り開いて行く志があるかどうか!?
言い替えると、目指す独自ポジションに行き付くまでの強い「想い」があるどうかが問われています。
そしてこれは、個人として、また、その集合体である企業としての価値が問われているのです。
個人であっても、企業であっても、価値観が明確であれば、明確な仕事ができます。
サイバーエージェントはこの価値観に一貫性があり、ブレない「想い」を持ち続けることで、
現在の強固な地位を得られているのだと思います。
最後にもう一度、大切なことを。
先行者利益を得るには、必ずリスクが伴います。その利益やポジションを掴むまで、気力・体力を継続させ、
ブレない「想い」を持ち続ける覚悟と自信はありますか!?
ここが欠如していると、社会にお役立てできる企業から遠のいて行ってしまいます。